シリケンイモリを飼っていると、ふと気づくと動かなくなっていることがあります。「死んでしまったの?」と心配になる方も多いでしょう。しかし、イモリは驚くほど静止する習性を持ち、場合によっては仮死状態や死んだふりをしていることもあります。本記事では、シリケンイモリが動かない原因から、仮死状態や死んだふりの見分け方、体調不良や死ぬ前兆のサインまで、飼い主として知っておきたい情報を詳しく解説します。
これを読むことで、動かないシリケンイモリへの適切な対応方法や、環境の見直しポイントまで理解でき、無用な心配を減らすことができます。
シリケンイモリが動かないときにまず知っておくべきこと
シリケンイモリは「固まる」生き物である
シリケンイモリは、野生でも捕食者から身を守るために体を固くしてじっと動かないことがあります。この行動は「防御反応」の一種で、危険を察知すると体を小さく丸め、静止することで目立たないようにしています。そのため、飼育下でも急に動かなくなることがありますが、これは必ずしも健康状態が悪いわけではありません。
また、照明や温度、水質の変化によっても一時的に活動が低下することがあります。イモリは変温動物であるため、環境条件に敏感に反応するのです。特に朝方や水温が低い場合、動きが鈍くなり、見た目には「動かない」ように見えることがあります。
動かない=すぐに死亡とは限らない理由
シリケンイモリが動かないと、飼い主としては「死んでしまったのでは…」と心配になるものです。しかし、動かない状態=死亡ではありません。前述の通り、防御本能や体温低下による活動低下、仮死状態など、生きているがあえて動かない場合もあります。
さらに、イモリは餌を与えるタイミングや日内リズムによっても活動量が変化します。日中は比較的じっとしていることが多く、夜行性のため夕方以降に活発になるケースもあります。このため、短時間の静止だけで「危険」と判断するのは早計です。
仮死状態・死んだふりの可能性
イモリの仮死状態とは?アカハライモリとの共通点
イモリの中には、捕食者から身を守るために体を完全に硬直させる「仮死状態(死んだふり)」をとる種類がいます。シリケンイモリも例外ではなく、危険を察知すると一時的に動きを止め、呼吸や心拍も最低限まで落とすことがあります。これにより、外見上はまるで死んでいるかのように見えます。
アカハライモリでも同様の行動が観察されており、両種とも防御行動として自然に備わった習性です。飼育下では、急な振動や水流の変化、他の生き物との接触などがきっかけで仮死状態になることがあります。
死んだふりか本当に死んでいるかの見分け方
シリケンイモリが「本当に死んだのか」かを見極めるポイントは以下の通りです。
- 呼吸の確認
水中や陸上で腹部や胸の動きを注意深く観察します。ごくわずかでも呼吸している場合は生きています。 - 尾や指先の反応
軽く触れて尾や指先を刺激してみます。小さな動きや反射があれば仮死状態です。刺激には優しく触れるだけにしてください。 - 水温を上げて様子を見る
低温により活動が鈍っている場合があります。水槽の水温を適切に調整すると、徐々に動き始めることがあります。 - 色や体の柔らかさ
死亡した場合、体色がくすみ、触ると柔らかくなります。逆に仮死状態では、体は硬直していることが多く、色も比較的鮮やかです。
体調不良やストレスによる行動変化
イモリが元気ない・動かない主な原因
シリケンイモリが普段と比べて動かない、元気がない場合、仮死状態以外に体調不良やストレスが原因であることがあります。主な要因は以下の通りです。
- 水質の悪化:アンモニアや硝酸塩の蓄積はイモリに強いストレスを与えます。水が濁っていたり、臭いが強い場合は注意が必要です。
- 水温や湿度の不適切:シリケンイモリは適温(20〜25℃前後)が理想です。低すぎると活動が鈍り、高すぎると体力を消耗します。
- 過密飼育や隠れ家不足:ストレスで動かなくなることがあります。テラリウム内に十分な隠れ場所を確保しましょう。
- 栄養不足や餌を食べない:餌を食べない日が続くと、エネルギー不足で動きが鈍くなります。餌の種類や与え方を見直すことが大切です。
体調不良の場合、仮死状態のように完全に硬直することは少なく、ゆっくりとした動きや沈んだ姿勢などでわかることが多いです。
シリケンイモリが餌を食べないときの注意点
餌を食べないことも、動かない原因としてよく見られます。チェックすべきポイントは以下です。
- 餌の種類:ミミズや人工飼料など、イモリが好む餌を用意しているか。
- 給餌のタイミング:夜行性のため、夕方〜夜間に餌を与えると食いつきが良くなることがあります。
- 体調の変化:食欲不振が続く場合、病気や寄生虫の可能性もあります。特に皮膚や目の異常、体色の変化がある場合は要注意です。
餌を食べない=必ずしも危篤ではありませんが、数日以上続く場合は環境改善や獣医師への相談を検討しましょう。
死ぬ前兆として現れるサイン
イモリが死ぬ前に見せる行動・見た目の変化
シリケンイモリが死に近づいた場合、仮死状態やストレスとは異なる明確な前兆が現れます。主なサインは以下の通りです。
- 活動量の極端な低下:普段は隠れながらでも少しは動くものが、ほとんど全く動かなくなる。
- 餌を全く食べない:数日〜1週間以上、全く食欲がなくなる。
- 体色の変化:普段の鮮やかな色がくすみ、暗く沈んだような色になる。
- 皮膚の異常:乾燥やぬめりの異常、傷や斑点が目立つ。
- 呼吸の乱れ:水中で呼吸が浅く、ゆっくりまたは不規則になる。
これらの兆候は、病気や老化による自然死の場合に多く見られます。早期に気づけば、飼育環境を改善したり、獣医師に相談することで延命やケアが可能な場合もあります。
明らかに危険な症状と早急な対処が必要な状態
以下の症状がある場合は、即座の対処が必要です。
- 浮遊や沈下が激しく、自力で移動できない
- 体が異常に柔らかく、触れるとぐにゃりとする
- 目が濁っている、または膨張している
- 水槽の環境が極端に悪化している(汚れ・酸欠・温度異常など)
このような状態では、環境改善だけでなく、獣医師による診断が推奨されます。早めの判断がイモリの命を守るカギです。
動かないシリケンイモリへの正しい対処法
絶対にやってはいけない行動
動かないシリケンイモリを見たとき、つい慌てて強く触ったり、振ったりする行為は非常に危険です。以下の行動は避けましょう。
- 無理に動かす・持ち上げる
仮死状態や弱っている場合、無理に動かすと内臓や皮膚を傷つけることがあります。 - 極端な温度変化を与える
急に暖めたり冷やしたりすると、体に強い負担がかかり、最悪の場合死に至ることがあります。 - 薬品や消毒液を直接かける
体が非常に敏感なため、刺激や毒性で命に関わることがあります。
まずは落ち着いて、安全な環境で観察することが最優先です。
飼育環境(水温・水質・レイアウト)の見直しポイント
動かない原因が環境にある場合は、以下を確認・改善しましょう。
- 水温の確認
適温は20〜25℃前後です。低すぎると活動が鈍り、高すぎると体力を消耗します。 - 水質のチェック
アンモニアや亜硝酸塩の濃度が高くないか確認します。水換えやろ過器のメンテナンスが重要です。 - 隠れ家の確保
ストレスを減らすため、流木や苔、洞穴状の隠れ場所を配置しましょう。 - 餌やりの工夫
夜行性のため、夕方〜夜間に餌を与えると食いつきが良くなります。好みに合わせて人工飼料やミミズなどを用意しましょう。 - 静かな環境作り
振動や大きな音はイモリに強いストレスを与えます。水槽の設置場所を見直すことも有効です。
環境を整えることで、動かない状態から徐々に元気を取り戻すケースは多くあります。
それでも反応がない場合
イモリが死んだらどうなる?死亡後の変化
シリケンイモリが最終的に死亡した場合、体や行動には以下のような変化が現れます。
- 体の柔らかさ
死亡直後から徐々に体が柔らかくなり、触れるとぐにゃりとした感触になります。 - 色の変化
普段の鮮やかな体色がくすみ、白っぽく沈んだ色になります。 - 動かない・反応なし
呼吸や尾・指先の反射は完全に失われ、外部刺激に一切反応しません。 - 体液や腐敗の兆候
時間が経つと体液のにじみや皮膚の異常が見られることがあります。これは自然な腐敗の過程です。
これらは死亡が確定した際に見られる一般的なサインで、飼い主としては落ち着いて最終確認を行うことが大切です。
飼い主としてできる最終確認と判断基準
死亡かどうかを判断するためには、以下の方法が有効です。
- 呼吸と反応の観察
長時間(数分〜数十分)にわたり、呼吸や微細な尾・指先の動きが全くない場合は死亡の可能性が高いです。 - 体色・体の硬さの確認
体が柔らかく、色がくすんでいる場合は回復の見込みはほとんどありません。 - 環境条件の確認
水温・水質・ストレス要因などが急激に悪化していた場合は、死亡のリスクが高まります。 - 獣医師への相談
判断に迷う場合は、早めに爬虫類に詳しい獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
シリケンイモリが動かないと、飼い主としては非常に心配になります。しかし、「動かない=死亡」ではないことをまず理解することが大切です。イモリは仮死状態や防御反応として一時的に動かなくなることがあり、また体調不良やストレスでも活動量が落ちることがあります。
本記事では、シリケンイモリが動かない原因を段階的に整理し、
- 仮死状態や死んだふりの見分け方
- 元気がない・餌を食べないときの注意点
- 死ぬ前兆や明らかに危険な症状
- 正しい観察・飼育環境の改善方法
- それでも反応がない場合の最終確認
を解説しました。
飼い主としてできるのは、慌てず安全に観察し、環境を整え、必要に応じて獣医師に相談することです。これにより、シリケンイモリの命を守りつつ、無用な不安を減らすことができます。
シリケンイモリが動かないときは、まず落ち着いて状況を確認し、この記事で紹介したポイントを順にチェックしてみてください。


