ニホンイシガメは絶滅危惧種なのか?現状・理由・私たちにできる対策を解説

ニホンイシガメは絶滅危惧種なのか?現状・理由・私たちにできる対策を解説 かめ
この記事は約9分で読めます。
PR:本サイトの表記には一部プロモーションを含みます。
スポンサーリンク

ニホンイシガメは、日本固有の淡水亀として古くから身近な存在でした。しかし近年、「ニホンイシガメは絶滅危惧種なのか」「もう自然では見られなくなるのではないか」といった不安の声が増えています。実際に個体数は年々減少傾向にあり、環境省のレッドリストでも準絶滅危惧種として扱われるなど、その生息状況は決して楽観できません。

本記事では、ニホンイシガメが絶滅危惧種とされる理由や個体数の推移、日本に生息する他の絶滅危惧種の亀との違いをわかりやすく解説します。また、もし野外でニホンイシガメを見つけた場合に取るべき行動や、私たち一人ひとりができる現実的な保全対策についても詳しくご紹介します。ニホンイシガメの未来を守るために、まずは正しい知識を身につけていきましょう。

スポンサーリンク

ニホンイシガメとはどんな亀か

ニホンイシガメ(Mauremys japonica)は、日本にのみ自然分布する日本固有種の淡水亀です。本州・四国・九州を中心に、かつては田んぼや用水路、河川、ため池など身近な水辺で普通に見られる存在でした。

甲長は成体でおよそ15〜20cmほどになり、オスよりもメスの方が大きく成長する傾向があります。甲羅はやや褐色がかった暗色で、縁がギザギザしているのが特徴です。派手さはありませんが、落ち着いた見た目から「日本らしい亀」として評価されています。

性格は比較的おとなしく、雑食性で水草・昆虫・小魚など幅広い餌を食べます。寿命も長く、自然下では数十年生きる個体もいるとされており、安定した環境があれば長期間同じ場所に定着して生活します。この「環境への依存度の高さ」こそが、現在の減少問題と深く関係しています。

スポンサーリンク

日本に生息する亀とニホンイシガメの位置づけ

日本には複数の淡水亀が生息していますが、純粋な在来種はニホンイシガメとスッポンのみです。一方、現在よく見かけるクサガメやミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は外来種、もしくは人為的影響の強い種に分類されます。

ニホンイシガメは、日本の自然環境と長い時間をかけて共存してきた在来亀であり、生態系の一部として重要な役割を担ってきました。しかし近年は、外来種との競合や交雑、生息地の消失などにより、本来の生息域から姿を消す地域が増えています。

特に問題視されているのが、クサガメとの交雑による遺伝的純血性の低下です。見た目だけでは判別が難しい交雑個体も増えており、「ニホンイシガメがいるように見えて、実は純粋な個体が少ない」という地域も存在します。

このようにニホンイシガメは、日本の亀の中でも保全の優先度が高い存在であり、単なる一種の亀ではなく、日本の自然そのものを象徴する生き物といえます。

スポンサーリンク

ニホンイシガメは絶滅危惧種・準絶滅危惧種に該当するのか

ニホンイシガメは、環境省が公表しているレッドリストにおいて**「準絶滅危惧種(NT)」**に分類されています。これは、現時点で直ちに絶滅の危険が高いわけではないものの、将来的に絶滅危惧種へ移行する可能性が高いと判断されている状態です。

なお、「絶滅危惧種」という言葉は一般的には幅広く使われがちですが、レッドリスト上では

  • 絶滅危惧Ⅰ類
  • 絶滅危惧Ⅱ類
  • 準絶滅危惧種

といった段階的な評価が行われています。ニホンイシガメはその中で最も軽度な区分に位置しますが、決して安全な状態を意味するものではありません

また、都道府県ごとのレッドデータブックでは、地域によっては「絶滅危惧Ⅱ類」や「絶滅危惧Ⅰ類相当」として、より厳しい評価がなされているケースもあります。これは地域ごとに生息環境や個体数の減少スピードが異なるためであり、全国一律で同じ状況とは言えない点には注意が必要です。

スポンサーリンク

ニホンイシガメの個体数推移と最新の評価状況

ニホンイシガメの正確な個体数を全国規模で把握することは難しく、明確な数値は公表されていません。しかし、多くの調査や現場の報告から、長期的に見て減少傾向にあることはほぼ確実とされています。

かつては農村部を中心に普通に見られたニホンイシガメですが、近年では「数十年間見ていない」「昔はいたが今はいない」といった声が各地で聞かれるようになりました。特に都市近郊や平野部では、生息地そのものが消失している例も少なくありません。

評価が難しい理由のひとつに、外見が似ているクサガメや交雑個体の存在があります。一見するとニホンイシガメが生息しているように見えても、遺伝的に純粋な個体はごくわずかである場合もあり、実態以上に「多く見える」ことがあります。

このような背景から、専門家の間では「見かけの数よりも実際の純粋なニホンイシガメはさらに少ない可能性がある」と指摘されており、今後も慎重なモニタリングと評価の継続が必要とされています。

スポンサーリンク

亀が絶滅危惧種になる理由とは

亀は寿命が長く、一見すると環境変化に強い生き物のように思われがちです。しかし実際には、生息環境の変化に非常に影響を受けやすい動物でもあります。日本において多くの亀が絶滅危惧種、またはそれに近い状態に置かれている背景には、いくつか共通した要因があります。

最も大きな理由は、生息地の減少と分断です。河川改修や護岸工事、宅地化の進行により、浅瀬や水草が豊富な環境が失われました。亀は水中だけでなく、産卵のために陸地も必要とするため、水辺と陸地の両方が整った環境が不可欠です。そのどちらか一方が欠けるだけでも、繁殖が成立しなくなります。

さらに、道路整備によるロードキルや、水質悪化による餌資源の減少も深刻です。亀は成長や繁殖までに長い時間がかかるため、一度個体数が減少すると回復に非常に時間を要します。この「回復力の低さ」も、絶滅リスクを高める要因のひとつです。

スポンサーリンク

ニホンイシガメが減少している主な原因

ニホンイシガメの場合、一般的な亀の減少要因に加え、固有種ならではの問題が重なっています。特に深刻なのが、外来種との競合と交雑です。

日本各地に定着しているクサガメは、ニホンイシガメと生息環境が重なりやすく、餌や日光浴場所を巡って競合が起こります。さらに、両種は交配が可能であるため、交雑個体が増えることで純粋なニホンイシガメが減少していくという問題が生じています。

また、農業形態の変化も見逃せません。かつては亀にとって好条件だった水田や用水路が、コンクリート化や水管理の変化により、生息に適さない環境へと変わりました。これにより、幼体が育つ浅瀬や隠れ場所が失われています。

加えて、善意による持ち帰りや誤った保護行為も、結果的に個体数減少につながる場合があります。ニホンイシガメは地域ごとの個体群が重要であり、安易な移動は遺伝的多様性を損なうリスクを伴います。

スポンサーリンク

日本の亀の絶滅危惧種一覧と種類

日本に生息する亀のうち、環境省や各自治体のレッドリストで絶滅の危険性が指摘されている種はいくつか存在します。これらの多くは在来種であり、日本の自然環境に適応して進化してきた亀たちです。

代表的なものとして、ニホンイシガメは準絶滅危惧種に分類されています。また、地域によってはスッポンも生息地の減少や乱獲の影響により、独自に絶滅危惧区分が設定されている場合があります。

一方、外来種であるミシシッピアカミミガメ(いわゆるミドリガメ)は個体数が非常に多く、絶滅危惧種には該当しません。しかしその増加が、在来亀の生息を圧迫する大きな要因となっています。このように、日本の亀の絶滅危惧問題は「数が少ないから守る」という単純な話ではなく、生態系全体のバランスが深く関係しています。

スポンサーリンク

ニホンイシガメと他の絶滅危惧種の亀との違い

ニホンイシガメの特徴的な点は、日本固有種であることと、外来種との交雑問題を抱えている点です。多くの絶滅危惧種は、単純な生息地減少が主因となるケースが多いのに対し、ニホンイシガメは「純粋な個体が減っている」という、より複雑な課題を抱えています。

また、ニホンイシガメは人の生活圏と近い場所に生息してきた歴史があります。そのため、人間活動の影響を受けやすく、環境の変化が直接的に個体数減少へとつながりやすい特徴があります。

他の地域限定種の亀と比べても、ニホンイシガメは「身近だった存在が気づかぬうちに減っている」タイプの絶滅危惧種と言えるでしょう。この見えにくさこそが、保全の難しさであり、同時に早急な対策が求められる理由でもあります。

スポンサーリンク

ニホンイシガメを見つけたらやってはいけないこと

野外でニホンイシガメを見つけた場合、最も重要なのは安易に触れたり持ち帰ったりしないことです。見た目がかわいらしく、保護したくなる気持ちは理解できますが、自然下で生活している個体を移動させることは、結果的に生存率を下げる可能性があります。

特に注意すべきなのが、「安全そうな場所へ移してあげよう」という善意の行動です。亀は自分の生活圏を持っており、突然別の水域へ移されると、餌が確保できなかったり、他個体との競合が起きたりする恐れがあります。また、地域個体群の遺伝的バランスを崩す要因にもなります。

写真撮影や観察自体は問題ありませんが、長時間追い回したり、何度も持ち上げたりする行為は強いストレスを与えます。特に産卵期のメスや幼体にとっては致命的となる場合もあるため、距離を保って見守ることが大切です。

スポンサーリンク

法律・捕獲規制と保護の考え方

ニホンイシガメは、全国一律で捕獲が禁止されているわけではありませんが、都道府県ごとに条例や保護指定が設けられている場合があります。そのため、「見つけたら持ち帰ってよい」と一概には言えません。

また、仮に法律上問題がない地域であっても、現在の減少状況を踏まえると、野外個体を私的に飼育目的で捕獲する行為は推奨されません。特に販売や譲渡を目的とした捕獲は、倫理的にも問題視されています。

保護の基本的な考え方は、「その場所の個体は、その場所で守る」というものです。人ができる最善の行動は、無理に介入することではなく、生息環境を壊さない選択をすること、そして正しい知識を広めることにあります。

スポンサーリンク

ニホンイシガメ絶滅危惧種対策の現状

ニホンイシガメに対する絶滅危惧種対策は、国だけでなく、地方自治体や研究機関、保全団体などが連携して進められています。主な取り組みとしては、生息地の調査・モニタリング、レッドリストの更新、保護区域の設定などが挙げられます。

特に重要視されているのが、生息地の現状把握です。ニホンイシガメは地域差が大きく、場所によっては急激に減少しているため、継続的な調査が不可欠とされています。また、外来種との競合や交雑の実態を把握するため、遺伝的調査が行われるケースもあります。

一部地域では、外来亀の駆除や、生息環境の復元を目的とした水辺整備が進められています。ただし、対策の多くは長期的な視点が必要であり、すぐに成果が見えるものではありません。そのため、継続的な予算確保と地域住民の理解が課題となっています。

スポンサーリンク

私たち個人にできる保全・保護への関わり方

ニホンイシガメの保全は、専門家や行政だけの問題ではありません。私たち一人ひとりの行動も、将来に大きな影響を与えます。最も身近で重要なのは、野外の個体を捕まえない・移動させないという意識を持つことです。

また、外来種を安易に放流しないことも重要です。飼えなくなった亀を自然に返す行為は、一見優しさのように見えて、在来種に深刻な影響を与えます。責任ある飼育と、最後まで飼い切る覚悟が求められます。

さらに、地域の自然観察会や保全活動への参加、正しい情報の発信も有効な関わり方です。ニホンイシガメが置かれている現状を知り、周囲に伝えること自体が、保護への第一歩となります。

スポンサーリンク

まとめ

ニホンイシガメは、日本固有の淡水亀として長い歴史を持ちながら、現在は準絶滅危惧種として保全が求められている存在です。生息地の減少や環境の変化、外来種との競合や交雑など、複数の要因が重なり、個体数は長期的に減少傾向にあります。

一見するとまだ身近に見かけることもありますが、実際には純粋なニホンイシガメは少なく、地域によっては絶滅の危険性が高い状況にあります。そのため、「見つけたら保護のために持ち帰る」といった行動が、かえって問題を深刻化させることもあります。

ニホンイシガメを守るために重要なのは、正しい知識を持ち、自然下の個体を尊重する姿勢です。捕まえない、移動させない、外来種を放流しないといった基本的な行動が、将来の個体群維持につながります。身近な水辺に目を向け、日本の自然と共に生きてきたニホンイシガメの未来を守るため、できることから取り組んでいきましょう。

タイトルとURLをコピーしました