ロシアリクガメを庭で飼育したいと考えている方へ。本記事では、ロシアリクガメの屋外飼育に適した環境作りや、庭での囲いの設置方法、冬や夏の気温対策まで詳しく解説します。特に、リクガメの屋外飼育では「脱走防止」「外敵対策」「寒暖差への対応」が重要なポイントです。
また、屋外での小屋の設置方法や、ヘルマンリクガメとの比較、庭がない場合のベランダ飼育の選択肢についても紹介。ロシアリクガメの健康を守りながら、快適に暮らせる庭づくりを一緒に考えていきましょう!
ロシアリクガメを庭で飼うメリットと注意点
ロシアリクガメの特徴と屋外飼育の適性
ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)は、乾燥したステップ地帯や草原に生息する小型のリクガメです。丈夫で適応力が高く、日本の気候にも比較的適応しやすいため、屋外飼育に向いています。
特に春から秋にかけては、日光浴をしながら元気に活動するため、庭での飼育は理想的です。しかし、冬の寒さには弱く、屋外飼育をする場合は適切な寒さ対策が必要になります。
ロシアリクガメの屋外飼育に適した条件
- 気温が15℃以上で安定している
- 雨風をしのげるシェルターがある
- 日光浴ができるスペースが確保できる
- 脱走や外敵から守るための囲いがある
庭で飼育するメリットとデメリット
ロシアリクガメを庭で飼育することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
✅ 自然な環境でストレスが少ない
庭での飼育は、広いスペースで自由に動けるため、リクガメにとってストレスの少ない環境になります。
✅ 十分な日光浴ができる
紫外線を直接浴びることで、カルシウムの吸収を助けるビタミンD3を生成し、甲羅や骨の健康を維持できます。
✅ 運動量が増え健康維持に最適
屋内飼育と比べて運動量が増えるため、肥満防止や筋肉の発達に良い影響を与えます。
✅ 自然のエサを楽しめる
庭に生えている雑草(タンポポ、オオバコなど)を食べることで、食事のバリエーションが増えます。
デメリット
⚠ 気温管理が必要
冬の寒さや夏の猛暑の対策を怠ると、リクガメの体調を崩す原因になります。特に冬眠を考える場合は、安全に管理する知識が必要です。
⚠ 脱走や外敵のリスクがある
ロシアリクガメは掘るのが得意なため、囲いが不十分だと地面を掘って脱走する可能性があります。また、カラスや犬・猫などの外敵から守る対策も必要です。
⚠ 庭の管理が必要になる
リクガメが食べても安全な植物を選び、有害な植物(アジサイ、スイセンなど)を除去する必要があります。また、除草剤や農薬の使用は厳禁です。
庭での飼育には、自然に近い環境を作れるという大きなメリットがありますが、安全管理をしっかり行うことが成功のカギになります。次の章では、ロシアリクガメの庭での飼育環境の具体的な作り方について解説します。
ロシアリクガメの庭での飼育環境づくり
ロシアリクガメを庭で飼育するには、安全で快適な環境を整えることが重要です。特に、脱走防止や外敵対策、日光浴と日陰のバランス、地面の工夫などを考慮する必要があります。ここでは、庭での最適な飼育環境の作り方を詳しく解説します。
リクガメの庭の囲いを作る方法|脱走&外敵対策
ロシアリクガメは地面を掘るのが得意で、隙間があればすぐに脱走を試みます。そのため、庭で飼育する際にはしっかりとした囲いを設置することが重要です。
✅ 囲いの作り方のポイント
- 高さ40cm以上の壁やフェンスを設置(登れない素材を使用)
- 地面に20〜30cmほど埋め込む(掘り返し脱走を防ぐ)
- 壁は**ツルツルした素材(木材、ブロック、トタンなど)**を使用し、登れないようにする
- 上部をネットや金網で覆うことで、カラスや猫などの外敵から守る
✅ 脱走・外敵対策に役立つアイテム
- ブロックやレンガを並べて壁を作る
- 防獣ネットを張る(カラスや猫の侵入防止)
- トタン板や塩ビ板を囲いの内側に貼る(登り防止)
囲いをしっかり作れば、リクガメが安全に庭で過ごせる環境が整います。
日光浴できる環境と日陰の確保
ロシアリクガメにとって、日光浴は健康維持のために欠かせません。しかし、直射日光を長時間浴び続けると、熱中症になるリスクもあります。
✅ 日光浴エリアの作り方
- 日当たりの良い場所に、平らな石やレンガを置いて日光浴スポットを作る
- シェルターや植木で日陰を作り、日向と日陰を自由に行き来できる環境を整える
- 水皿を設置し、暑い時に水分補給できるようにする
また、夏場は温度が上がりすぎないよう、涼しい場所を確保することが大切です。
地面の工夫|掘り返し対策と植物の選び方
ロシアリクガメは地面を掘る習性があるため、地面の状態にも気を配る必要があります。
✅ 掘り返し対策
- 地面に防草シートを敷き、その上に土をかぶせる
- 地中にレンガやブロックを埋めることで掘り返しを防ぐ
✅ 庭に植える植物の選び方
- 食べても安全な植物(タンポポ、オオバコ、シロツメクサ など)
- 毒性のある植物は避ける(スイセン、アジサイ、ユリ など)
リクガメが自然に近い環境で過ごせるよう、安全な植物を育てながら、適度な土の感触を楽しめる庭作りを心がけましょう。
屋外飼育のための小屋と気温管理
ロシアリクガメを庭で飼育する際、天候や気温の変化に対応できる**シェルター(小屋)**を用意することが重要です。特に、冬の寒さ対策や夏の猛暑対策は、カメの健康を守るために欠かせません。ここでは、屋外飼育のための小屋の作り方や気温管理のポイントを解説します。
ロシアリクガメ向け屋外小屋の作り方
ロシアリクガメは寒さに弱いため、屋外飼育をする場合は雨風をしのげる小屋を用意する必要があります。
✅ 小屋を設置するメリット
- 夜間や寒い日に体温を維持できる
- 雨風を防ぎ、体調不良を予防できる
- 夏の強い日差しから逃げられる
✅ 屋外小屋の作り方のポイント
- 木製やプラスチック製のボックスを利用する
- 断熱材を入れ、保温性を高める
- 底面に乾いた土やワラを敷く(湿気対策)
- 出入口はカメが出入りしやすいサイズにする(狭すぎず広すぎず)
💡 簡単な小屋の作り方
- 木箱やプラスチックケースを用意し、一辺をカットして出入口を作る
- 内部に発泡スチロールや断熱マットを敷く(冬用)
- 床材として乾燥したワラや腐葉土を敷く
- 小屋の上に**屋根(木板や防水シート)**を取り付けて雨対策をする
- 冬はペット用ヒーターを設置して保温する
このような小屋を設置することで、ロシアリクガメが快適に過ごせる環境を作ることができます。
冬の寒さ対策|気温が低い時の工夫
ロシアリクガメは15℃以下になると動きが鈍くなり、10℃以下では冬眠を考慮する必要があります。しかし、冬眠にはリスクがあるため、特に初心者は冬眠させずに加温飼育することをおすすめします。
✅ 冬の寒さ対策のポイント
- 屋外小屋にヒーターを設置(ペット用パネルヒーターなど)
- 保温シートで小屋を囲む(発泡スチロール、アルミシートなど)
- 日中は日向に小屋を移動させる(適度に暖かさを確保)
- どうしても寒い日は屋内に移動する
💡 おすすめのヒーター
- パネルヒーター(底面に設置)
- セラミックヒーター(夜間の温度低下対策)
- 暖突(だんとつ)(カメが直接触れないタイプで安全)
冬の寒さをしのげる環境を整えれば、屋外飼育でも安全に冬を越せます。
夏の暑さ対策|直射日光と熱中症の予防
夏は気温が上がりすぎると熱中症や脱水症状になるリスクがあります。特に、日陰のない場所では甲羅が過熱しやすいため、対策が必要です。
✅ 夏の暑さ対策のポイント
- 庭の一部に日陰を作る(植木、よしず、人工シェードなど)
- 水皿を設置し、いつでも水分補給できるようにする
- 浅めの水場を作り、カメが自分で体を冷やせるようにする
- 猛暑日(35℃以上)は屋内に移動させる
💡 おすすめの暑さ対策アイテム
- 遮光ネットやすだれ(日陰を確保)
- レンガや陶器のシェルター(地面の温度を下げる)
- 湿った砂場(体温調整のためのひんやりスペース)
特に真夏の直射日光は危険なので、カメが自由に移動して日陰に入れるように環境を整えましょう。
これらの対策をしっかり行うことで、ロシアリクガメを庭で安全に飼育できます。
他のリクガメとの比較|ヘルマンリクガメとの違い
ロシアリクガメを庭で飼育する際、他のリクガメとの違いを理解しておくと、より適切な環境を整えられます。特に、屋外飼育が可能な種類として人気のあるヘルマンリクガメと比較しながら、ロシアリクガメの特徴や飼育のポイントを解説します。
ヘルマンリクガメとロシアリクガメの屋外飼育の違い
ロシアリクガメとヘルマンリクガメは、どちらも屋外飼育に適した種類ですが、それぞれの生息環境や性質の違いを理解することで、より快適な飼育環境を整えられます。
比較項目 | ロシアリクガメ | ヘルマンリクガメ |
---|---|---|
原産地 | 中央アジアの乾燥地帯 | 南ヨーロッパの温暖な地域 |
寒さへの耐性 | 比較的寒さに強いが、冬眠の管理が難しい | 冬眠しやすく、比較的寒さに強い |
暑さへの耐性 | 高温多湿が苦手、夏の蒸れに注意 | 暑さには比較的強いが、日陰が必要 |
飼育の適性 | 丈夫で適応力が高く、初心者にもおすすめ | 比較的飼いやすいが、温度管理が重要 |
運動量 | 活発でよく動き回る | 比較的のんびりしている |
地面を掘る習性 | 非常に強い(囲いの地面対策が必須) | あまり掘らないが、囲いは必要 |
ロシアリクガメの特徴
- 乾燥した環境を好むため、湿気の多い場所では蒸れやすい
- 非常に活発で運動量が多いため、広めのスペースが必要
- 地面を掘るのが得意なので、囲いの地中対策が必須
ヘルマンリクガメの特徴
- ヨーロッパ原産のため、日本の気候に適応しやすい
- 比較的落ち着いた性格で、屋外でも管理しやすい
- 地面を掘る習性はあまり強くないため、囲いの地中対策は比較的簡単
ロシアリクガメは運動量が多く、脱走対策が特に重要なのに対し、ヘルマンリクガメは比較的穏やかで管理がしやすいという違いがあります。
各種リクガメの屋外飼育の適性
ロシアリクガメやヘルマンリクガメ以外にも、屋外飼育が可能なリクガメがいます。それぞれの適性を比較してみましょう。
種類 | 屋外飼育の適性 | 注意点 |
---|---|---|
ロシアリクガメ | ◎(非常に適している) | 地面を掘るので脱走対策が必須 |
ヘルマンリクガメ | ◎(適している) | 温度管理をしっかり行う |
ギリシャリクガメ | ○(比較的適している) | 湿気に弱いので注意 |
ケヅメリクガメ | △(温暖な地域なら可) | 巨大化するため、広大なスペースが必要 |
インドホシガメ | ×(屋外飼育には不向き) | 高湿度・高温環境が必要 |
屋外飼育に適しているのは、ロシアリクガメとヘルマンリクガメが代表的です。ギリシャリクガメも比較的屋外飼育が可能ですが、湿度や温度管理に注意が必要です。
💡 ロシアリクガメを屋外飼育するなら
- 地面を掘る習性が強いため、地中の囲い対策をしっかり行う
- 寒暖差に弱いため、冬眠をさせる場合は慎重に管理する
- 乾燥した環境を好むため、湿度が高すぎないように注意する
このように、他のリクガメと比較するとロシアリクガメは丈夫で屋外飼育に適しているものの、脱走対策と湿度管理が特に重要になります。
庭がない場合の代替案|ベランダでの飼育方法
庭がなくても、ベランダでロシアリクガメを飼育することは可能です。しかし、屋外飼育と同様に、安全対策や温度管理が重要になります。ここでは、ベランダで飼育する際のポイントや、庭飼育との違いについて解説します。
ベランダ飼育のメリットとデメリット
✅ ベランダ飼育のメリット
- 天候の影響を受けにくい(雨の日も管理しやすい)
- 外敵の心配が少ない(カラスや猫の侵入リスクが低い)
- 日光浴がしやすい(日当たりの良い場所を選べる)
❌ ベランダ飼育のデメリット
- スペースが限られる(運動量が多いロシアリクガメには狭い可能性がある)
- 夏場の暑さ対策が必要(コンクリートの熱がこもりやすい)
- 水場を確保しにくい(庭と違い、地面に穴を掘れない)
庭がない場合はベランダ飼育も選択肢になりますが、日陰の確保や温度管理を徹底することが重要になります。
ベランダ飼育での飼育環境の作り方
ベランダで飼育する場合、リクガメにとって快適な環境を整える必要があります。
✅ ベランダ飼育のポイント
- 大型の飼育ケースを設置する(90cm以上のケージが理想)
- 底材は土やヤシガラマットを敷く(コンクリートの熱を和らげる)
- 日光浴用のスペースを作る(レンガやタイルを置くと効果的)
- 日陰を確保する(すだれや遮光ネットを使用)
- 水皿を設置する(深さ2〜3cmの容器が適切)
- 風通しを良くする(蒸れ防止のため定期的に換気)
特に、コンクリートの熱がこもらないように工夫することが重要です。
ベランダ飼育の温度管理と季節ごとの対策
🔸 夏の暑さ対策
- すだれや遮光ネットを活用し、直射日光を防ぐ
- 水皿を設置し、こまめに水を交換する
- ケージの下に断熱シートを敷き、地面の温度上昇を防ぐ
🔹 冬の寒さ対策
- ペット用ヒーターを設置し、寒さを防ぐ
- 発泡スチロールや段ボールで囲い、保温性を高める
- 冬場は基本的に屋内飼育に切り替えるのがベスト
ロシアリクガメをベランダで飼育する場合、暑さ・寒さ対策を徹底し、適切な環境を維持することがポイントです。
まとめ|ロシアリクガメの屋外飼育のポイント
ここまで、ロシアリクガメを庭やベランダで飼育する方法について詳しく解説しました。最後に、屋外飼育のポイントと注意点をまとめます。
屋外飼育の重要ポイント
✅ 庭での飼育の基本
- 広いスペースを確保し、カメが自由に動き回れるようにする
- 囲いを設置し、脱走対策を徹底する(特に地中対策が重要)
- シェルター(小屋)を用意し、気温の変化に対応する
- 日陰と日向のバランスを考慮し、快適な環境を作る
✅ 冬の寒さ対策
- 寒冷地では冬眠よりも加温飼育が安全(特に初心者向け)
- 屋外小屋にヒーターを設置し、気温が下がりすぎないようにする
- 発泡スチロールや断熱材を活用して保温効果を高める
✅ 夏の暑さ対策
- 直射日光を避けるため、遮光ネットやすだれを活用する
- 水皿や浅めの水場を用意し、カメが体を冷やせる環境を作る
- コンクリートの上ではなく、土や草地の上で飼育する
✅ ベランダ飼育の工夫
- 通気性を確保し、蒸れを防ぐ
- 温度管理を徹底し、猛暑日や極寒日は屋内に移動させる
- 飼育スペースをしっかり確保し、運動不足を防ぐ
屋外飼育で気をつけること
⚠ 脱走防止対策を徹底する
- ロシアリクガメは掘る力が強く、囲いの地中対策が必須
- フェンスやブロックを使い、地中30cm以上埋めると安心
⚠ 外敵(カラス・猫)から守る
- 小型のカメは特にカラスに狙われやすい
- 金網やネットを上部に設置し、捕食を防ぐ
⚠ エサやりの管理
- 屋外では自然の草を食べることも多いが、適切な餌を与えることが大切
- 雑草だけでなく、カルシウム補給のために野菜やサプリメントも活用
ロシアリクガメを庭で安全に飼育しよう!
ロシアリクガメは丈夫で屋外飼育に適した種類ですが、脱走対策・温度管理・天敵対策をしっかり行うことが大切です。
- 広い庭があれば、しっかり囲いを作って自由に歩き回れる環境を整える
- 庭がない場合は、ベランダでの飼育も可能(ただし、温度管理が重要)
- 冬は加温飼育を検討し、夏は直射日光を避ける工夫をする
適切な環境を整えて、ロシアリクガメが快適に過ごせる屋外飼育を実践していきましょう!