近年、公園や川辺でミドリガメ(正式名称:ミシシッピアカミミガメ)を見かけることが増えています。しかし、「ミドリガメを拾って飼ってもいいの?」「飼育は禁止されたの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
実は、ミドリガメは外来種として問題視され、2023年6月から飼育が禁止されました。なぜミドリガメの飼育が制限されたのか、見つけたときの正しい対応方法、そして外来種問題について詳しく解説します。
また、「ミドリガメの寿命は50年」と言われるほど長生きするため、安易な飼育はおすすめできません。もし道端や公園でミドリガメを見つけたら、どうすればよいのか?この記事を読めば、適切な対応がわかります!
ミドリガメを見つけたらどうすればいい?
ミドリガメを公園や川、道端などで見かけたことはありませんか?「飼ってもいいのか?」「放っておいて大丈夫?」と悩む人も多いでしょう。ここでは、ミドリガメを見つけたときに取るべき対応について解説します。
道端や公園でミドリガメを見つけたら
ミドリガメは本来、日本の在来種ではなく、アメリカ原産の外来種です。飼育放棄や逃げ出した個体が野生化し、全国各地で繁殖しています。
もし道端や公園でミドリガメを見つけた場合、まず確認すべきポイントは以下の通りです。
- ケガをしているか?
→ 車にひかれたり、鳥に襲われたりして負傷している場合は、動物病院や自治体に相談しましょう。 - 人が多い場所で危険ではないか?
→ 道路や駐車場など危険な場所にいる場合は、安全な場所へ移動させるのも一つの手です。 - そのまま放置しても問題ないか?
→ すでに野生化している個体であれば、むやみに捕獲せず、そのままにしておくのが基本です。
ミドリガメを拾って飼育するのはOK?
以前はペットとして人気がありましたが、2023年6月からミシシッピアカミミガメの飼育が禁止されました。これは、ミドリガメが生態系に悪影響を及ぼしているためです。
現在は新たに飼育を始めることが法律で禁止されているため、拾ったミドリガメを自宅で飼うことはできません。 すでに飼育している場合は、適切な方法で最後まで世話をする義務があります。
もし「どうしても飼えない」という場合は、自治体や動物保護団体に相談しましょう。ただし、すべての個体を引き取ってもらえるわけではないため、無責任な放流は絶対に避けてください。
亀を見つけたら縁起がいい?迷信と現実
「亀を見つけると幸運が訪れる」といった話を聞いたことはありませんか?昔から亀は長寿や金運の象徴とされており、縁起が良い生き物と考えられています。
しかし、現実的にはミドリガメは外来種問題を引き起こす原因となっています。見つけたからといって幸運とは限らず、むしろ適切な対応が求められる存在です。
もし亀を見つけたら、その場で写真を撮ってお守りにする程度にとどめ、安易に持ち帰らないようにしましょう。
ミドリガメが飼育禁止になった理由とは?
かつてペットとして人気だったミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)ですが、2023年6月から新規飼育が禁止されました。「なぜ飼育が禁止されたのか?」「いつから禁止になったのか?」など、詳しく解説していきます。
ミシシッピアカミミガメとは?外来種問題について
ミドリガメは、正式にはミシシッピアカミミガメという種類のカメで、もともと北アメリカに生息していました。日本には1960年代からペット用として輸入され、縁日やペットショップで手軽に購入できる生き物として人気を集めました。
しかし、次のような問題から外来生物法の規制対象となりました。
- 繁殖力が高く、全国で野生化
- 在来種のカメや生き物を圧迫し、生態系を破壊
- 水質汚染の原因にもなる
日本の川や池には、もともとクサガメやニホンイシガメといった在来種が生息していました。しかし、ミドリガメの個体数が増えたことで、エサや生息地の競争に負け、在来種が激減しています。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)はいつから飼育禁止?
ミドリガメの飼育禁止は、2023年6月1日から施行されました。
具体的な規制内容は以下の通りです。
✅ 2023年6月1日以降、新たに飼育を始めることは禁止
✅ すでに飼っている人はそのまま飼育可能(放流は禁止)
✅ 販売・輸入・譲渡は禁止
つまり、すでにミドリガメを飼っている人は、適切に最後まで世話をする義務があります。しかし、新しく拾ったり、購入したりして飼育を始めることはできません。
なぜミドリガメの飼育が禁止されたのか
ミドリガメが飼育禁止になった理由は、主に生態系の破壊と環境への影響が大きいためです。具体的には以下の3つの問題が挙げられます。
① 在来種のカメや生き物を絶滅の危機に追いやる
ミドリガメは、在来種であるクサガメやニホンイシガメよりも体が大きく、食欲が旺盛なため、エサを独占してしまいます。その結果、もともと日本にいたカメが減少しています。
② 繁殖力が高く、爆発的に増える
1匹のメスが年間で100個近くの卵を産むこともあり、日本各地で個体数が急増しています。
③ 池や川の水質を悪化させる
ミドリガメは雑食性で、植物や小魚、水生昆虫など何でも食べます。そのため、水域のバランスが崩れ、水質汚染の原因になることもあります。
こうした問題を解決するため、日本政府は2023年に規制を強化し、ミドリガメの新規飼育を禁止しました。
今後、私たちにできることは「絶対に放流しないこと」と「すでに飼育しているカメを適切に管理すること」です。
ミドリガメの寿命と生態|飼育が難しい理由
ミドリガメは子どもの頃は手のひらサイズで可愛らしいですが、実は寿命が非常に長く、最大で50年近く生きることもあると言われています。「小さいうちは飼いやすそう」と思って飼い始めても、成長後に手放す人が多いのが現実です。ここでは、ミドリガメの寿命や生態、飼育の難しさについて詳しく解説します。
ミドリガメの寿命は50年?長生きする理由とは
ミドリガメの寿命は、一般的に20〜30年と言われています。しかし、適切な環境で飼育すると50年以上生きることもあるため、「一生の付き合い」となる可能性もあります。
✅ 野生のミドリガメの寿命 → 10〜20年(天敵や環境の影響あり)
✅ 飼育下のミドリガメの寿命 → 20〜50年(適切な管理で長生き)
長寿の理由は、雑食性で何でも食べること、丈夫な体を持っていること、適応力が高いことが挙げられます。
ミドリガメの成長と飼育の難しさ
「小さくて可愛い」と思って飼い始める人が多いですが、ミドリガメは成長すると想像以上に大きくなり、飼育が大変になります。
✅ ミドリガメの成長サイズ
- 幼体(購入時):3〜5cm
- 成体(約5年後):20〜30cm
小さな水槽ではすぐに手狭になり、大きな水槽や屋外飼育が必要になります。また、水を頻繁に交換しないと悪臭が発生するため、水質管理も重要です。
✅ ミドリガメの飼育が難しい理由
- 大きくなるため、広い飼育スペースが必要
- 水を汚しやすく、頻繁な掃除が必要
- 紫外線ライトやヒーターなどの設備が必須
- 寿命が長く、30年以上の世話が必要
- 簡単に手放せない(法律で譲渡・放流禁止)
このように、ミドリガメを飼うことは決して簡単ではありません。そのため、「飼えなくなったから放流する」という無責任な行動が外来種問題の原因になっています。
現在、ミドリガメの新規飼育は禁止されていますが、すでに飼っている人は最後まで責任を持って飼育することが大切です。
野生のミドリガメをどうするべき?正しい対応方法
ミドリガメを公園や川で見つけたとき、「持ち帰ってもいいのか?」「放置して大丈夫?」と迷う人も多いでしょう。しかし、無計画な捕獲や放流は、環境問題を悪化させる可能性があります。ここでは、野生のミドリガメを見つけたときの正しい対応方法を解説します。
ミドリガメを見つけても放流はNG!その理由とは
ミドリガメを発見したとき、「元の場所に戻せばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、ミドリガメの放流は絶対にNGです。
✅ ミドリガメを放流してはいけない理由
- 生態系への悪影響
- ミドリガメは日本の自然環境に適応しすぎており、在来種のカメ(クサガメやニホンイシガメ)を圧迫しています。
- 爆発的な繁殖力
- 一度放流されると、急激に個体数が増え、外来種問題がさらに深刻化します。
- 環境汚染の原因に
- ミドリガメは雑食性で、水草や小魚を食べ尽くし、水質を悪化させる可能性があります。
もし「飼えなくなったから」と安易に川や池に放すと、**法律違反(外来生物法違反)**となる可能性があるため注意が必要です。
ミドリガメを適切に引き取ってもらう方法
野生のミドリガメを見つけたとき、どうしても対応に困る場合は、以下の方法を検討しましょう。
✅ 自治体に相談する
- 市区町村の環境課や動物愛護センターに問い合わせると、適切な対応を案内してもらえる場合があります。
✅ 外来種対策団体や爬虫類専門の保護施設を探す
- 一部の団体では、ミドリガメの引き取りを行っています。ただし、対応できる数には限りがあるため、必ず事前に確認しましょう。
✅ すでに飼っている場合は、最後まで世話をする
- 飼育禁止とはいえ、すでに飼っている人はそのまま飼い続けることが認められています。手放さずに責任を持って飼育することが大切です。
まとめ|野生のミドリガメを見つけたらどうする?
🔹 ミドリガメを安易に捕獲・持ち帰るのはNG
🔹 放流は法律違反になる可能性があるため厳禁
🔹 対応に困ったら自治体や保護団体に相談する
🔹 すでに飼っている場合は、最後まで責任を持って世話をする
ミドリガメは外来種として問題視されていますが、命ある生き物であることには変わりありません。適切な対応をとることで、環境保護にも貢献できます。
ミドリガメ以外にも注意すべき外来生物とは?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)だけでなく、日本の生態系に悪影響を与える外来種は他にも数多く存在します。中でも、アメリカザリガニは特に有名で、ミドリガメと同じく外来生物法の規制対象となっています。ここでは、注意すべき外来生物について解説します。
アメリカザリガニの規制と問題点
アメリカザリガニは、ミドリガメと同じくペットや観賞用として広まりましたが、現在では野生化し、日本の生態系に悪影響を及ぼしているため、2023年6月から規制の対象となりました。
✅ アメリカザリガニの問題点
- 爆発的に増える
- 繁殖力が強く、数が増えすぎて在来の生物に影響を与える。
- 水草や生き物を食べ尽くす
- 田んぼや池の水草、小魚を食べ、環境を破壊する。
- 水質を悪化させる
- 泥をかき回して水を濁らせ、生態系のバランスを崩す。
✅ アメリカザリガニの新たな規制(2023年6月施行)
- 新たに飼育を始めることは禁止されていない(※ミドリガメとは異なる)
- 販売・譲渡・放流は禁止
- すでに飼っている個体は飼育可能だが、適切な管理が求められる
「捕まえたらどうすればいいの?」と悩むかもしれませんが、アメリカザリガニもミドリガメと同じく、無断で放流するのは法律違反となるため注意が必要です。
ほかにも注意すべき外来生物
日本には他にも、外来種として問題視されている生物が多数存在します。特に、水辺の生態系に影響を与える生き物には注意が必要です。
✅ 要注意の外来生物
生物名 | 問題点 |
---|---|
カミツキガメ | 攻撃的で、人間にも危害を加える可能性あり。生態系への影響も大きい。 |
ウシガエル | 大きな体と強い食欲で、他の生き物を捕食し、生態系を破壊する。 |
ブラックバス(オオクチバス) | 小魚やエビを大量に食べ、日本の水辺の生態系を大きく変えてしまう。 |
ブルーギル | ブラックバスと同様に繁殖力が高く、在来種を脅かす。 |
これらの外来生物は、もともとペットや食用として日本に持ち込まれましたが、放流されたことで環境問題を引き起こしているのが現状です。
「捕まえたから捨てる」ではなく、「正しく管理する」ことが重要です。
まとめ|外来生物を見つけたらどうする?
🔹 ミドリガメやアメリカザリガニは放流せず、適切に管理する
🔹 外来種は生態系に深刻な影響を与えるため、むやみに増やさない
🔹 自治体や専門機関に相談し、正しい対処方法を確認する
外来生物の問題は私たちの身近なところで起こっています。安易な飼育や放流を避け、環境保護のために正しい知識を身につけましょう。
まとめ|ミドリガメを見つけたらどうする?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)はかつて人気のペットでしたが、その繁殖力の高さから生態系への悪影響が深刻化し、2023年6月から新規飼育が禁止されました。今後は、無責任な放流を防ぎ、適切に管理することが求められます。
🔹 ミドリガメを見つけたときの対応ポイント
✅ 野生のミドリガメを見つけた場合
- 持ち帰って飼育するのは禁止!(法律違反)
- そのまま放置が基本(無理に捕獲しない)
- 自治体や環境保護団体に相談するのも選択肢
✅ すでに飼っている場合
- 最後まで責任を持って飼育することが義務
- 放流や譲渡は禁止されているため注意
✅ アメリカザリガニなど他の外来生物も要注意
- ミドリガメと同じく、アメリカザリガニも2023年6月から規制対象に
- 放流すると生態系を破壊するため、適切な管理が必要
🔹 最後に|私たちにできること
ミドリガメやアメリカザリガニなどの外来生物は、一度定着すると駆除が非常に困難になります。生態系を守るために、「飼えなくなったから放流する」のではなく、「最後まで責任を持って世話をする」ことが大切です。
環境問題は、身近な小さな行動の積み重ねで改善できます。野生のミドリガメを見つけたら、ぜひ適切な対応を心がけましょう!