「ミドリガメを飼い始めたけど、大きくなりすぎるのは困る…」「小さいまま飼う方法はあるの?」と考えている方も多いのではないでしょうか? ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、適切な環境で飼育すれば比較的小さなまま育てることも可能ですが、基本的には成長すると甲長20cm以上になることが一般的です。
この記事では、ミドリガメの成長を抑えるための飼育環境や、エサ・水槽の選び方について詳しく解説します。また、「亀は水槽の大きさに比例して成長するのか?」という疑問や、クサガメなどの他の亀との違いについても触れています。さらに、すでに大きくなってしまった亀の飼育方法や、世界最小の亀についても紹介!
ミドリガメを小さいまま育てたい方や、大きくなった亀の飼育に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
ミドリガメは小さいまま育てられるのか?
ミドリガメはペットショップや祭りの屋台などで手軽に手に入るため、多くの人が「小さくてかわいい亀」として飼い始めます。しかし、適切な環境で飼育すれば、ミドリガメは成長し、甲長20〜30cmほどのサイズになります。では、小さいまま育てることは可能なのでしょうか?ここでは、ミドリガメの成長に関する基本情報と、よくある誤解について解説します。
ミドリガメの成長速度と平均サイズ
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、成長するとオスで約15〜20cm、メスで25〜30cmほどの大きさになります。特に成長が早いのは幼体のうちで、生後1〜2年で急激に大きくなります。その後は成長が緩やかになりますが、環境によって個体差があります。
ミドリガメの成長に影響を与える要因
- エサの量と栄養バランス:高タンパクなエサを多く与えると成長が早くなる
- 水槽の広さ:十分なスペースがあると活発に動き、成長が促進される
- 水温と日光浴:適切な水温と紫外線を浴びることで成長がスムーズに進む
つまり、ミドリガメの成長速度は飼育環境によって大きく変わります。「小さいまま育てたい」と思っても、完全に成長を止めることはできません。
亀は水槽の大きさに比例して成長する?
「亀は水槽の大きさに合わせて成長する」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは半分正しく、半分間違っています。
実際には、水槽が小さいからといって成長が止まるわけではなく、環境が悪いと成長が遅れるというのが正しい解釈です。狭い水槽では運動量が減るため、成長が抑制されることもありますが、健康的な成長を阻害する可能性があるため、意図的に小さい水槽で飼育するのは推奨されません。
また、水質が悪化しやすくなるため、病気のリスクも高まります。ミドリガメを健康的に育てるには、適切な広さの水槽を用意することが重要です。
クサガメも小さいまま飼えるのか?
ミドリガメと並んで人気のあるクサガメ(ニホンイシガメ)は、ミドリガメよりも若干小型で、オスは12〜15cm、メスは15〜20cmほどの大きさになります。ミドリガメに比べると成長は遅めですが、やはり適切な環境で飼育すると確実に大きくなります。
クサガメの成長にもミドリガメと同様に、エサの種類・水槽の大きさ・日光浴の有無などが影響します。「クサガメなら小さいまま飼える」と考えるのは誤解であり、長期的に見ればどちらも成長する生き物であることを理解しておきましょう。
ミドリガメの成長を抑えるための飼育環境
ミドリガメが大きくなりすぎるのを防ぐためには、飼育環境を工夫することが重要です。特に、水槽の大きさやエサの種類、水温の管理が成長に大きく影響します。ここでは、ミドリガメの成長を抑えるための具体的な方法を解説します。
水槽の大きさと成長の関係:小さい水槽なら成長しない?
「亀の成長は水槽の大きさに比例する」とよく言われますが、これは完全に正しいわけではありません。確かに、狭い環境では運動量が減り、成長が遅くなることもありますが、小さい水槽だからといって成長が止まるわけではありません。
むしろ、狭い水槽で飼うことで以下のような問題が発生する可能性があります。
✅ 水質の悪化:水が汚れやすくなり、病気のリスクが高まる
✅ ストレスが増加:自由に動けず、健康を害する可能性がある
✅ 甲羅や手足の変形:適切な環境がないと体の成長に悪影響
そのため、ミドリガメの健康を考えると、最低でも**60cm水槽(甲長10cm以下なら45cm水槽)**は用意したいところです。水槽の大きさを抑えれば多少成長を遅らせることはできますが、極端に狭い環境で飼うのは避けましょう。
亀が大きくならないための適切なエサと食事管理
エサの種類や量を調整することで、ミドリガメの成長スピードをコントロールすることができます。
▼エサの選び方と与え方のポイント
✅ 高タンパクなエサを控えめにする:ミドリガメの主食となる人工フードの中には、高タンパク・高カロリーなものが多く、成長を促進します。小さいまま育てたいなら、タンパク質の少ない低カロリーなエサを中心に与えましょう。
✅ エサの回数を減らす:成長期の幼体には毎日エサを与えるのが基本ですが、成長を抑えたい場合は2日に1回程度に減らすことで、成長スピードをコントロールできます。
✅ 野菜を取り入れる:ミドリガメは雑食性なので、葉物野菜(小松菜、チンゲンサイなど)を多めに与えると、栄養バランスを整えながら成長を抑えることが可能です。
ただし、過度な食事制限は栄養不足につながるため、健康を損なわないよう注意が必要です。
水温・紫外線管理が成長に与える影響
ミドリガメの成長には、水温と紫外線が大きく関わっています。
▼水温管理のポイント
✅ 低めの水温で飼育する:一般的に水温を25〜28℃に保つのが理想ですが、成長を抑えたい場合は22〜24℃程度に設定すると代謝が下がり、成長スピードを抑えることができます。ただし、極端に低くしすぎると活動が鈍り、健康を害する可能性があるため注意しましょう。
▼紫外線(UVBライト)の影響
✅ 紫外線を抑えると成長が遅くなる:紫外線はカルシウムの吸収を助けるため、成長を促進します。そのため、紫外線を控えめにすることで、甲羅の成長を抑えることも可能です。ただし、完全に紫外線を遮断すると甲羅の形成不良や病気のリスクが高まるため、適度に浴びせるようにしましょう。
成長したミドリガメの飼育方法
「小さいまま飼いたかったけど、気づけば大きくなってしまった…」というケースはよくあります。ミドリガメは本来、成長すると甲長20〜30cmにもなる生き物です。大きくなった亀を適切に飼育するためには、水槽のサイズやレイアウトを見直し、生活環境を整えることが重要です。
ここでは、大きくなったミドリガメのための飼育環境の作り方と、飼育が難しくなった場合の対処法について解説します。
大きくなったミドリガメのための適切な水槽サイズとは?
成長したミドリガメを快適に飼育するためには、最低でも90cm水槽が必要です。甲長20cmを超える場合は120cm水槽が推奨されます。
▼水槽サイズの目安
✅ 甲長10cm未満 → 60cm水槽
✅ 甲長10〜15cm → 90cm水槽
✅ 甲長15cm以上 → 120cm以上の水槽、または屋外飼育
水槽を大きくすることで、水質が安定しやすくなり、ストレスも軽減されます。ただし、室内で120cm水槽を設置するのが難しい場合は、大型の衣装ケースやトロ舟を活用するのもひとつの方法です。
また、水槽が大きくなるとフィルターの性能も重要になります。成長したミドリガメは排泄量が増えるため、外部式フィルターや上部フィルターなど強力な濾過装置を使用すると、水質を維持しやすくなります。
大きくなった亀の飼い方と飼育スペースの工夫
水槽の設置スペースが限られている場合、いくつかの工夫をすることで大きな亀でも快適に飼育できます。
▼スペース確保の工夫
✅ 屋外飼育を検討する:庭やベランダに大型の水槽やプラスチックケースを設置し、屋外で飼育する方法もあります。ただし、天敵や気温の変化に注意が必要です。
✅ 室内でも衣装ケースやトロ舟を活用:専用の水槽がなくても、幅広で浅めのケースを使えば、省スペースで管理できます。
✅ 二段式のバスキングスペースを作る:水槽の上部に陸地スペースを設けることで、泳ぐスペースを確保しつつ、コンパクトにまとめることが可能です。
また、成長したミドリガメは力が強くなるため、脱走防止のためのフタや仕切りも忘れずに設置しましょう。
飼育困難になった場合の対応策と里親探し
「飼い続けるのが難しくなってしまった…」という場合、最も重要なのは絶対に野外に放さないことです。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、外来生物法で条件付特定外来生物に指定されており、飼えなくなったからといって勝手に放すと違法になります。
▼飼育が難しくなったときの対応策
✅ 里親を探す:SNSや爬虫類専門のコミュニティを利用して、新しい飼い主を探す。
✅ 動物保護団体や爬虫類ショップに相談する:引き取りを行っている施設がある場合もあるため、事前に確認する。
✅ 自治体のルールを確認する:地域によっては、特定の対応策が用意されていることがあるため、役所や環境省のサイトをチェックする。
絶対にやってはいけないこと
❌ 川や池に放す → 環境破壊につながり、法律違反になる可能性がある
❌ 無責任に放置する → 適切な飼い主が見つかるまで責任を持って管理する
大きくなった亀を適切に飼育するには、それなりのスペースと手間がかかりますが、工夫次第で快適な環境を整えることは可能です。もしどうしても飼えなくなった場合は、適切な方法で新しい飼い主を探しましょう。
世界一小さい亀と日本で飼える小型の亀
「ミドリガメは成長すると大きくなりすぎる…」と悩んでいる方にとって、小型の亀は魅力的な選択肢です。実際に世界には「一生小さいまま」の亀も存在します。ここでは、世界最小の亀と、日本で飼える小型の亀について紹介します。
世界一小さい亀「ヒメハコヨコクビガメ」
世界で最も小さい亀として知られているのが、**ヒメハコヨコクビガメ(Speckled Padloper Tortoise)**です。この亀は南アフリカに生息し、成体でも甲長6〜8cmほどしかありません。
✅ ヒメハコヨコクビガメの特徴
- 体が非常に小さく、甲羅の模様が特徴的
- ヨコクビガメの仲間で、首を横に曲げて甲羅に収納する
- 生息地の環境が限られており、ペットとしての流通はほぼゼロ
この亀は野生動物として保護されており、ペットとして飼うことは非常に難しいですが、「小さいままの亀」として注目される存在です。
日本で飼える小型の亀
日本で手に入りやすい小型の亀の中には、成長しても比較的小さいままの種類もいます。
✅ ニホンイシガメ(最大15〜20cm)
日本固有種で、クサガメやミドリガメよりも比較的小型。オスはメスよりも小さく、15cm前後で成長が止まることが多い。
✅ クサガメ(最大20cm)
ミドリガメよりはやや小型。特にオスは15cmほどで成長が止まることが多いため、小さめの亀を飼いたい人に向いている。
✅ ハラガケガメ(最大15cm)
ユニークな見た目と小型サイズで人気。最大でも15cm程度なので、ミドリガメよりも飼いやすい。ただし流通量が少なく、高価な場合が多い。
✅ マタマタ(最大15cmの小型種あり)
変わった見た目が特徴的なマタマタの中には、小型の個体も存在。ただし、特定の種類を選ぶ必要があり、一般的に流通している個体は30cm以上になることが多い。
まとめ:小さい亀を飼いたいなら種類選びが重要!
ミドリガメは成長すると大きくなってしまうため、小さいままの亀を飼いたい場合は、ニホンイシガメやクサガメ、ハラガケガメなどの小型種を選ぶのがベストです。
また、「絶対に小さいままの亀がいい!」という場合は、最初からミドリガメ以外の種類を選ぶことをおすすめします。
まとめ:ミドリガメを小さいまま飼うためのポイント
ミドリガメは、適切な環境を整えれば成長をある程度コントロールすることは可能ですが、完全に「小さいまま」にするのは難しい生き物です。ここまでの内容を振り返り、重要なポイントを整理しましょう。
✅ ミドリガメの成長を抑えるポイント
- 水槽のサイズを大きくしすぎない(ただし、極端に小さいと健康に悪影響)
- エサを調整する(低タンパクな食事、エサの回数を減らす)
- 水温を低めに設定する(22〜24℃程度で代謝を抑える)
- 紫外線を控えめにする(ただし、完全に遮断すると病気のリスクあり)
✅ 大きくなったミドリガメの飼育方法
- 甲長15cm以上なら90cm〜120cm水槽が理想
- スペースがない場合は、衣装ケースやトロ舟を活用
- 飼育が困難になった場合は、必ず適切な方法で里親を探す(絶対に野外に放さない!)
✅ 小さいままの亀を飼いたいなら?
- ニホンイシガメやクサガメなど、もともと小型の亀を選ぶ
- 世界最小のヒメハコヨコクビガメは日本では飼えない
🐢 「小さいままの亀を飼う」ために最適な選択をしよう!
ミドリガメを小さいまま飼いたいなら、飼育環境を工夫して成長を抑える方法もありますが、どうしても大きくなってしまいます。もし本当に「小さい亀がいい!」という場合は、最初から小型の亀を選ぶのがベストです。
この記事が、あなたにとって最適な亀の飼い方を見つける手助けになれば幸いです!🐢✨