ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、日本でも広く飼育されてきた人気のカメですが、近年では移動や飼育に関する規制が厳しくなっています。2023年の法改正により、ミドリガメの販売・飼育の禁止が進められており、知らずに移動させると違法になる可能性も。
「飼えなくなったミドリガメはどうすればいいの?」
「川や池で見つけたミドリガメを移動させてもいいの?」
このような疑問を持つ人も多いでしょう。本記事では、ミドリガメの移動に関する法律や、正しい対処法について詳しく解説します。また、アメリカザリガニとの関係や、外来種問題についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください!
ミドリガメの移動は法律違反?基本ルールを解説
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)とは?
ミドリガメは、正式名称をミシシッピアカミミガメといい、北米原産の淡水カメです。幼体のころは鮮やかな緑色をしているため、「ミドリガメ」として親しまれてきました。しかし、成長すると甲羅の色が黒っぽくなり、最大で30cmほどにまで成長します。
日本では1960年代からペットとして輸入され、縁日などでよく見かける存在でした。しかし、寿命が20~40年と長く、大きくなるにつれて飼い続けるのが難しくなるため、飼い主が野外に放すケースが増加しました。その結果、ミドリガメは全国各地の河川や池に定着し、日本の生態系に深刻な影響を与える外来種となったのです。
ミドリガメの移動に関する法律と規制
ミドリガメは、2023年に**「条件付特定外来生物」**に指定され、飼育や移動に関する規制が強化されました。これにより、以下のようなルールが適用されています。
✅ ミドリガメの移動は禁止?
- 野生のミドリガメを別の場所に移動させることは違法です。
- ペットとして飼っているミドリガメを許可なく移動させることもNG。
- もし放流すると、外来生物法違反となり、罰則の対象となる可能性があります。
✅ 違反した場合の罰則
- 違法に移動・放流すると、個人で最大300万円以下の罰金または3年以下の懲役が科せられることも。
- 法人が違反した場合、罰金額は最大1億円になるケースもあります。
このように、ミドリガメの移動には厳しい規制があり、知らずに行うと法律違反になる可能性があるため注意が必要です。
2023年の法改正!ミシシッピアカミミガメの飼育・移動の制限
2023年6月から、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は**「条件付特定外来生物」に指定されました。この指定により、ミドリガメの新たな販売や輸入は禁止**され、移動や飼育にも厳しいルールが適用されることになりました。
✅ 2023年の法改正による影響
- 販売・譲渡の禁止:ペットショップや個人間での売買ができなくなった。
- 移動の制限:自宅以外の場所へ運ぶことが原則禁止。
- 許可なしの放流禁止:川や池に捨てることは違法。
ただし、すでに飼育している個体は引き続き飼うことが可能です。しかし、「大きくなりすぎたから」「世話が大変だから」といった理由で放流することは、生態系に悪影響を与えるだけでなく法律違反にもなるので、絶対にやめましょう。
これらの法改正は、ミドリガメが在来の生態系に悪影響を与えていることが背景にあります。では、飼えなくなった場合はどうすればよいのでしょうか?
ミドリガメを移動させる前に知っておくべきこと
ミドリガメを勝手に放流すると違法?
「飼えなくなったから川や池に放してあげよう」と考える人がいますが、これは絶対にNGです。ミドリガメの放流は、外来生物法により禁止されています。
✅ なぜ放流がダメなのか?
- 在来種を脅かす:ミドリガメは繁殖力が高く、日本のカメ(クサガメ・ニホンイシガメ)を圧倒する勢いで増殖します。
- 環境への悪影響:水草や小魚を大量に食べるため、生態系を破壊してしまう。
- 病原菌の拡散リスク:海外由来の病気を持ち込む可能性がある。
✅ 違反した場合の罰則
- ミドリガメを無許可で放流すると最大300万円の罰金、または3年以下の懲役。
- 企業など法人が違反した場合は、最大1億円の罰金の可能性も。
「自然に返してあげるつもりだった」と思っても、法律違反になることをしっかり理解しておきましょう。
飼えなくなったミドリガメの適切な対処法
もし、ミドリガメを飼い続けるのが難しくなった場合は、以下の方法で適切に対処しましょう。
✅ 1. まずは飼い続けられるか考える
- ミドリガメは長寿ですが、飼育環境を工夫することで管理がしやすくなります。
- 水槽のサイズを見直したり、餌の管理を適切に行うことで負担を減らせる場合も。
✅ 2. 里親を探す
- 家族や知人に責任を持って飼える人がいないか相談する。
- 自治体や動物愛護団体に相談してみる(ただし、引き取りをしていない場合も多い)。
✅ 3. 自治体に相談する
- 一部の自治体では、特定外来生物の適正処分の方法を案内していることがあります。
- 「○○市 ミドリガメ 処分」などで検索してみるのもおすすめ。
✅ 4. 適切に処分する(最終手段)
- 引き取り手が見つからない場合、自治体の指示に従って適切に処分する必要があります。
- 自治体によって処分方法が異なるため、役所に相談しましょう。
※ ミドリガメを捨てることは絶対にNGです。ペットとして飼い始めた以上、責任を持って最後まで対応することが大切です。
ミドリガメを見つけたらどうするべき?
公園の池や川などでミドリガメを見つけることもありますが、むやみに捕まえて移動させるのは違法になる可能性があります。
✅ もしミドリガメを見つけたら?
- そのままにしておくのが基本。勝手に移動すると、違法行為となる可能性があります。
- 自治体の環境課や外来種対策窓口に報告すると、適切な対応をしてもらえる場合も。
- 野生のミドリガメをペットとして持ち帰るのもNG。すでに野生化している個体は病気を持っている可能性があり、他のカメやペットに悪影響を与えることも。
ミドリガメはすでに日本全国で増えており、特定外来生物として問題視されている状況です。個人で勝手に対処せず、専門機関や自治体に相談するのが最も適切な方法といえるでしょう。
ミドリガメの販売・飼育禁止はいつから?
「ミドリガメ販売禁止」はいつから始まった?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、**2023年6月1日から「条件付特定外来生物」**に指定されました。これにより、以下のような規制が設けられました。
✅ 2023年6月以降に禁止されたこと
- ミドリガメの販売・譲渡(ペットショップ・個人間含む)
- ミドリガメの輸入(海外からの持ち込み禁止)
- ミドリガメの野外への放流・移動
✅ 現在でも可能なこと
- 既に飼育している個体は引き続き飼える(ただし、無許可での移動はNG)
- 自治体の許可を受けた機関での研究・展示(一部の動物園や研究施設)
「販売されなくなった」ということは、これから新しくミドリガメを手に入れることはできないということです。
なぜミドリガメの飼育が禁止になったのか?
ミドリガメの販売・飼育が規制された理由は、日本の生態系に与える深刻な影響が問題視されたためです。
✅ ミドリガメが日本の環境に与える悪影響
- 在来のカメを駆逐する
- クサガメやニホンイシガメと競争し、生息域を奪っている。
- 繁殖力が強すぎる
- 日本の冬でも適応でき、野生で爆発的に増加。
- 水質汚染の原因に
- 大量の餌を食べ、水を汚すことで生態系を乱す。
- 経済的な被害
- 農作物や水田に侵入し、農家に被害を与える。
こうした理由から、ミドリガメは「特定外来生物に準ずる」生き物として規制されることになりました。
特定外来生物指定による影響と罰則について
2023年の法改正で、ミドリガメは「条件付特定外来生物」に指定されました。この指定によって、以下のような影響が出ています。
✅ 違反するとどうなる?
- 無許可の販売・譲渡 → 最大300万円の罰金または3年以下の懲役
- 違法な移動・放流 → 最大300万円の罰金または3年以下の懲役
- 法人が違反した場合 → 最大1億円の罰金
✅ 飼育禁止になったらどうなる?
現時点では、すでに飼っているミドリガメを捨てる必要はありません。ただし、将来的に「完全な特定外来生物」に指定される可能性もあり、その場合は許可なしの飼育も禁止される可能性があります。
「いずれ飼育自体ができなくなるのでは?」という不安もあるため、今後の法改正にも注目しておく必要があります。
ミドリガメだけじゃない!アメリカザリガニとの関係性
ザリガニを捕まえたらどうする?法律と注意点
ミドリガメと同様に、日本の生態系に悪影響を与えている外来生物としてアメリカザリガニが挙げられます。実は、アメリカザリガニも**2023年6月1日から「条件付特定外来生物」**に指定されました。
✅ アメリカザリガニの規制内容
- 販売・譲渡は禁止(ペットショップや個人売買はNG)
- 許可なく野外へ放すのは禁止(違法放流になる)
- ただし、飼育や捕獲は可能(釣りや観察はOK)
✅ アメリカザリガニを捕まえたらどうする?
- その場で観察するだけならOK。
- 持ち帰るのも可能だが、放流は厳禁。
- 不要になった場合は適切に処分する必要がある(自治体に相談)。
このように、アメリカザリガニも「条件付きの外来生物」として規制がかかっています。特に野外への放流は法律違反になるので注意しましょう。
ミドリガメとアメリカザリガニの生態系への影響
ミドリガメとアメリカザリガニは、どちらも日本の生態系に大きな影響を与えています。
✅ ミドリガメの影響
- 日本のカメ(クサガメ・ニホンイシガメ)を圧倒し、生息域を奪う。
- 水草や小魚を大量に食べるため、水辺の生態系を破壊。
✅ アメリカザリガニの影響
- 水田や湿地の生態系を破壊し、在来種の水生生物を脅かす。
- 水草を食い尽くすことで、他の生物の住処をなくす。
このように、どちらも日本の生態系に深刻な影響を与えているため、規制が必要とされています。
外来生物問題に対する正しい知識と対応策
ミドリガメやアメリカザリガニの規制は、日本の生態系を守るために重要な措置です。私たち一人ひとりが外来生物の問題を理解し、正しく対処することが大切です。
✅ 私たちにできること
- 外来生物を勝手に放さない!(ミドリガメやザリガニを捨てるのは違法)
- ペットとして飼う場合は、最後まで責任を持つ。
- すでにいる個体は適切に管理し、増やさないようにする。
ミドリガメやアメリカザリガニは、長年日本で親しまれてきた生き物ですが、野外で繁殖しすぎることで生態系への悪影響が問題となっています。これからは「飼うなら最後まで責任を持つ」「放流しない」ことを守り、外来生物との共存を考えていくことが大切です。
まとめ:ミドリガメの移動・飼育・規制について
本記事では、ミドリガメの移動に関する注意点や販売・飼育の規制について詳しく解説しました。
✅ ミドリガメの移動は勝手にできない!
- 飼育中のミドリガメを許可なく移動・放流するのは違法。
- 最大300万円の罰金や3年以下の懲役の可能性あり。
- 移動や飼育が難しい場合は、自治体に相談するのがベスト。
✅ 2023年6月1日から販売・譲渡は禁止
- 新規購入は不可。
- すでに飼っている場合は引き続き飼育可能だが、今後さらなる規制がかかる可能性も。
✅ ミドリガメとアメリカザリガニの共通点
- どちらも特定外来生物として規制対象になった。
- 野外への放流は禁止(生態系への影響が深刻)。
- 飼う場合は最後まで責任を持つことが重要。
🔹 これからミドリガメを飼育する人へのメッセージ
ミドリガメは、長寿で環境適応能力が高い生き物です。そのため、一度野外に放たれると爆発的に増え、日本の生態系に深刻な影響を与えてしまいます。
これからは、「ペットとして迎えたら、最後まで責任を持つ」ことを徹底し、安易に放流しない・手放さない意識を持つことが大切です。
また、今後の法改正にも注意しながら、正しい知識を持ってミドリガメと向き合っていきましょう!