ミドリガメの耳がどこにあるか知っていますか?一般的に「亀に耳はない」と思われがちですが、実はきちんと耳の機能を持っています。では、ミドリガメはどんな音が聞こえるのでしょうか?飼い主の声を識別することはできるのでしょうか?
本記事では、ミドリガメの耳の位置や聴力の仕組み、音に対する反応について詳しく解説します。また、「亀は音でストレスを感じるの?」「大きな音に敏感なの?」といった疑問にもお答えし、飼育時の音環境の整え方についても紹介します。
さらに、ミシシッピアカミミガメやクサガメとの違い、野生化した個体を見つけたときの対応など、知っておくべき情報も網羅。ミドリガメを飼っている方はもちろん、道端や公園で見つけた方もぜひ参考にしてください!
ミドリガメの耳の位置と構造
亀の耳はどこにある?ミドリガメの耳の特徴
ミドリガメの耳は、**頭の側面にある鼓膜(こまく)**によって機能しています。哺乳類のように外耳(耳たぶや耳の穴)がないため、一見すると耳がないように見えますが、実際には皮膚の下に鼓膜があり、音を感じ取ることができます。
ミドリガメの耳の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 外からは見えにくい → 皮膚に覆われているため、はっきりとした耳の穴はない。
- 水中の振動を感じる → 空気中の音よりも、水中の低い音や振動をより敏感にキャッチする。
- 高音は苦手 → 人の話し声や高い周波数の音よりも、低音や地面を伝わる振動のほうがよく伝わる。
そのため、飼い主が話しかけても、人間のように明確な言葉として聞き取ることはできません。しかし、一定のパターンの音や振動を覚えることができるため、飼育環境によっては飼い主の足音や餌を用意する音に反応することがあります。
ミシシッピアカミミガメやクサガメの耳との違い
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)とクサガメの耳の構造は似ていますが、わずかに違いがあります。
種類 | 耳の特徴 | 音の聞こえ方 |
---|---|---|
ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ) | 頭の側面に鼓膜があり、皮膚の下に隠れている | 低い音や振動に敏感で、水中の音をよく感じる |
クサガメ | ミドリガメと同じく外耳はないが、鼓膜がやや目立つ | 振動に敏感だが、音に対する反応は個体差がある |
ミシシッピアカミミガメとクサガメはどちらも水中生活に適応しているため、音よりも振動に敏感です。特に、亀の鼓膜は周囲の皮膚と一体化しているため、人間のように鼓膜を震わせて音を感じ取るのではなく、主に水や地面を伝わる低周波の振動をキャッチする仕組みになっています。
このように、ミドリガメの耳は見た目にはわかりにくいですが、実はきちんと音を感じ取る機能を持っています。
ミドリガメの聴力と音の聞こえ方
ミドリガメの耳は聞こえる?どんな音がわかるのか
ミドリガメの耳は見えにくいですが、しっかりと音を感じ取ることができます。ただし、人間のように細かい音を識別するのではなく、低音や振動を主に感知するのが特徴です。
ミドリガメが感じ取れる音の種類は以下のとおりです。
- 低い周波数の音(低音) → 水中を伝わりやすいため、比較的よく聞こえる。
- 地面を伝わる振動音 → 足音や物が落ちたときの振動には敏感。
- 水の流れる音 → 水中生活に適応しているため、水の動きに反応することがある。
一方で、人の声や高音はあまり聞こえないと考えられています。特に、空気中で発せられる音は水中よりも伝わりにくいため、大きな声で話しかけても気づかないことが多いです。ただし、毎日の生活音に慣れることで、「この音が聞こえたらエサの時間だ」と覚えることはあるため、学習能力がまったくないわけではありません。
亀は飼い主の声を識別できるのか
「ミドリガメは飼い主の声がわかるの?」と気になる方も多いでしょう。結論から言うと、ミドリガメが人の声を言葉として理解することはありません。
しかし、特定の音のパターンを覚え、それに反応することは可能です。たとえば、以下のようなケースが報告されています。
- 飼い主の足音やドアの開閉音でエサの時間を察知する
- 水槽を叩くと近寄ってくる(ただし強く叩くのはストレスになるため注意)
- 水を換える音を聞くと逃げる(警戒する)
つまり、ミドリガメは飼い主の声そのものではなく、「音のパターン」と「経験」を関連付けて学習するのです。例えば、毎日同じタイミングでエサを与えていると、その時間帯の環境音(足音、食器の音など)を覚え、飼い主が近づくとエサがもらえると認識するようになります。
このように、ミドリガメは聴覚だけでなく記憶力も活かして行動することがわかっています。次の章では、亀にとってストレスになりやすい音や、飼育環境を整えるためのポイントについて解説していきます。
亀と音の関係性|ストレスを与えないために
亀はどんな音が苦手?音によるストレスの影響
ミドリガメは低音や振動に敏感ですが、すべての音を快適に感じるわけではありません。特定の音はストレスの原因になるため、注意が必要です。
ミドリガメが苦手な音には、以下のようなものがあります。
- 大きな音(テレビの爆音・ドアの強い開閉音・掃除機の音など)
- 高い周波数の音(電子音・金属のぶつかる音など)
- 振動を伴う音(スピーカーの重低音・雷の音など)
これらの音は、ミドリガメにとって**「危険な環境」**と感じさせる要因になります。特に、強い振動を伴う音は、敵の接近や地面の揺れを連想させるため、亀が驚いて暴れることがあります。
ストレスを受けると、ミドリガメは以下のような行動をとることがあります。
- 物陰に隠れる・水中に潜る → 怖がって隠れたまま出てこない
- エサを食べなくなる → 長期的なストレスで食欲不振に
- 甲羅干しをしなくなる → 体調不良につながる可能性も
こうした行動が見られる場合は、音の環境を見直し、静かな場所に移動させることが重要です。
ミドリガメに適した環境とは?音対策と飼育ポイント
ミドリガメが快適に過ごせるようにするためには、不要な音を減らし、落ち着いた環境を作ることが大切です。
✅ ミドリガメのための音対策ポイント
- 水槽の設置場所を工夫する
- テレビやスピーカーの近くは避ける
- 玄関や窓際など、大きな音が響く場所は避ける
- 落ち着いた静かな部屋に設置する
- 振動を抑える工夫をする
- 水槽の下にクッション材やマットを敷く(振動を吸収する)
- 近くで大きな音を立てない(掃除機やドアの開閉に注意)
- 慣れさせる工夫をする
- なるべく毎日同じ環境を保つ(大きな音を急に立てない)
- 静かな声で話しかける(亀に安心感を与える)
ミドリガメは、意外にも環境の変化に敏感な生き物です。特に音によるストレスは、健康状態や行動に影響を与えるため、飼育環境をしっかり整えてあげましょう。
ミドリガメを見つけたらどうする?適切な対応
野生化したミシシッピアカミミガメを見つけた場合
公園や川辺などでミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)を見つけることがあります。これらのカメの多くは、もともとペットとして飼われていた個体が放流され、野生化したものです。
もし野生のミドリガメを見つけた場合、次の点に注意しましょう。
✅ 勝手に持ち帰らない
- ミシシッピアカミミガメは特定外来生物に指定されており、許可なく飼育や放流はできません。
- すでに環境に適応している場合、無理に移動させると逆に生態系に影響を与える可能性があります。
✅ 周囲の環境を確認する
- 近くに他のカメ(クサガメやイシガメなど)がいるかチェックする。
- 池や川の生態系が崩れていないか観察する。
✅ 自治体や専門機関に相談する
- ミシシッピアカミミガメは外来種問題として扱われることが多いため、見つけた場合は自治体や環境団体に相談するのがベストです。
- 一部の地域では、カメの回収や管理の取り組みが行われている場合もあります。
飼育を考える前に知っておくべきこと
「ミドリガメを拾ったけど飼いたい!」と思う方もいるかもしれません。しかし、ミドリガメの飼育には注意点が多いため、よく考えてから判断しましょう。
✅ ミドリガメの飼育に必要なこと
- 大きな水槽とフィルターが必要(成長すると30cm以上になる)
- 毎日の水換えと紫外線管理が必要(甲羅干しができないと病気になる)
- 寿命が長い(20年以上)ので、最後まで責任を持てるか考える
また、ミシシッピアカミミガメは特定外来生物のため、飼い始めると逃がすことができません。
途中で飼えなくなっても、野外に放つことは法律で禁止されているため、最後まで世話をする覚悟が必要です。
ミドリガメの耳と音の世界を正しく理解しよう!
本記事では、ミドリガメの耳の仕組みや聞こえる音の種類、音によるストレス、野生の個体を見つけたときの対応について詳しく解説しました。
✅ ミドリガメの耳は頭の側面にあり、皮膚の下に隠れている
✅ 低音や振動を感じ取る能力があり、水中の音には特に敏感
✅ 人の声を識別することはできないが、音のパターンを学習することは可能
✅ 大きな音や振動はストレスの原因になるため、飼育環境に注意が必要
✅ 野生化したミドリガメを見つけたら、勝手に持ち帰らず自治体に相談する
ミドリガメは、意外と繊細な生き物です。音の環境を整えることで、より快適な飼育ができます。また、野生化したミドリガメへの対応を誤ると、生態系に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な行動を心がけましょう。
ミドリガメの習性を理解し、より良い関係を築くことが大切です!