「この亀、ミドリガメかな?」と気になったことはありませんか?ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、ペットとして人気があったものの、現在は外来種問題としても注目されています。
しかし、日本にはクサガメやイシガメなど、よく似た亀が複数存在し、見分けるのが難しいことも。特に赤ちゃんの頃は違いがわかりにくく、混同されることが多いです。
本記事では、ミドリガメの特徴や日本の在来種との見分け方をわかりやすく解説。さらに、野生で見つけた際の対応や、飼育する際の注意点についても紹介します。ミドリガメについて正しい知識を身につけ、適切な判断ができるようになりましょう!
ミドリガメとは?基本情報をチェック
ミドリガメは、日本の河川や池などでよく見かける亀ですが、もともとは北アメリカ原産の外来種です。正式名称はミシシッピアカミミガメで、ペットとして輸入された個体が野生化し、日本各地で繁殖しています。本章では、ミドリガメの基本情報と、日本に生息する代表的な亀の種類について解説します。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の特徴
ミドリガメの最大の特徴は、その名の通り**頭部の横にある赤い斑紋(耳のように見える部分)**です。この赤い模様が「アカミミガメ」の名前の由来になっています。成長すると甲羅の緑色はくすんだ色になり、個体によっては黒っぽくなることもあります。
ミドリガメの特徴まとめ:
✅ 甲羅の色:幼体は鮮やかな緑色、成体になると暗い緑や黒っぽくなる
✅ 耳の部分:赤い斑紋がある(成長すると薄くなることも)
✅ 甲羅の形:やや楕円形で、甲羅の後ろの縁がギザギザしている
✅ 大きさ:成体は約20~30cm
✅ 生息環境:池、川、湖など幅広い水辺に適応
✅ 外来種としての影響:在来種のクサガメやイシガメと競合し、生態系への影響が懸念されている
日本に生息する主な亀の種類
日本には、ミドリガメ以外にもさまざまな亀が生息しています。中でもよく見られるのが、クサガメとイシガメです。ミドリガメと混同されやすいこれらの亀について、特徴を押さえておきましょう。
✔️ クサガメ(ニホンイシガメの近縁種)
- 甲羅の色は暗い褐色~黒色で、幼体の甲羅には黄色いラインが入る
- 首や足に黄色い模様があり、成長すると喉の部分が黄色くなる
- ミドリガメよりも甲羅がやや細長い
✔️ イシガメ(日本固有種)
- 甲羅の色は茶褐色や黒褐色で、ザラザラとした質感
- 甲羅が丸みを帯びており、ミドリガメよりも高さがある
- 目の後ろに小さな黄色い斑点があることが多い
このように、甲羅の形や色、模様の違いを知っておくことで、ミドリガメと在来種の区別がしやすくなります。
ミドリガメと他の亀の見分け方
日本にはさまざまな種類の亀が生息していますが、中でもミドリガメ・クサガメ・イシガメは見た目が似ているため、見分けるのが難しいと感じる人も多いでしょう。本章では、それぞれの亀の特徴を比較しながら、簡単に識別する方法を紹介します。また、日本固有種と外来種の見分け方や、赤ちゃん亀(幼体)の識別ポイントについても解説します。
ミドリガメとイシガメ・クサガメの見分け方
ミドリガメは、クサガメやイシガメと混同されやすいですが、以下のポイントを押さえると判別しやすくなります。
特徴 | ミドリガメ(アカミミガメ) | クサガメ | イシガメ |
---|---|---|---|
甲羅の色 | 幼体は明るい緑色、成長すると黒っぽくなる | 暗褐色〜黒色 | 茶褐色〜黒褐色 |
甲羅の形状 | やや楕円形で後縁がギザギザ | やや細長い | 丸みを帯び、高さがある |
頭の模様 | 目の後ろに赤い斑紋 | 黄色い線が入る | 目の後ろに小さな黄色い斑点 |
喉の色 | 緑色または黄色っぽい | 成長すると喉が黄色くなる | 黄色っぽいが個体差あり |
生息環境 | 池・川・湖など幅広く適応 | 河川や池、湿地 | 主に清流や山間部の川 |
特に、ミドリガメは「赤い耳の模様」があることが最大の特徴です。この模様がない場合は、クサガメやイシガメの可能性が高いでしょう。
日本の亀と外来種の見分け方
ミドリガメは外来種であり、日本固有のクサガメやイシガメとは異なります。外来種と在来種を区別することは、環境保護の観点からも重要です。
✅ 外来種の特徴
- ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)のように鮮やかな色や派手な模様があることが多い
- 成長すると甲羅が大きくなり、日本の在来種よりも大型化する
✅ 在来種の特徴
- クサガメやイシガメのように、**落ち着いた色合い(茶色・黒・暗緑色)**のものが多い
- 甲羅の形が丸みを帯びていたり、細長かったりするが、派手な模様は少ない
亀の赤ちゃんの種類と見分け方
亀の赤ちゃん(幼体)は成体と比べて見分けにくいですが、以下の特徴をチェックすると識別しやすくなります。
- ミドリガメの赤ちゃん:全身が鮮やかな緑色で、目の後ろにはっきりした赤い斑紋がある
- クサガメの赤ちゃん:甲羅に黄色い線が入り、成長すると黒っぽくなる
- イシガメの赤ちゃん:甲羅がざらついており、全体的に茶色っぽい
幼体はまだ体色がはっきりしない場合もあるため、成長してからの変化も考慮するとより確実に見分けることができます。
ミドリガメを見つけたらどうする?
近年、日本各地の河川や池でミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)を見かけることが増えています。しかし、ミドリガメは外来種であり、安易に捕まえたり、放流したりすることは問題です。本章では、ミドリガメを野生で見つけた際の対応や、飼育する際の注意点について解説します。
野生でミドリガメを見つけたら
ミドリガメはもともとペットとして輸入されたものの、飼いきれずに逃がされた個体が繁殖し、日本の在来種に影響を与えています。そのため、見つけた場合は、むやみに捕まえたり放流したりせず、適切に対応することが重要です。
🔹 ミドリガメを見つけたときの対応
✅ そのままにしておくのが基本:環境省の方針では、個人が勝手に捕獲・移動させることは推奨されていません。
✅ 自治体の指示を確認:地域によっては、ミドリガメの駆除や回収を行っている場合があります。
✅ 保護目的で持ち帰るのはNG:ミドリガメは繁殖力が強く、飼いきれなくなるケースが多いため、安易にペットとして迎えるのは慎重に考えましょう。
また、「ミドリガメを自然に返してあげたい」と思う人もいますが、放流は法律で禁止されている行為です。環境への影響を考え、適切な行動を心がけましょう。
ミドリガメを飼うべき?放流のリスク
ミドリガメをペットとして飼うこと自体は違法ではありません。しかし、一度飼育を始めると適切な環境を維持し続ける責任が生じます。
✅ ミドリガメを飼う際の注意点
- 成長すると30cm近くになるため、大きな水槽が必要
- 長寿(20年以上生きることも)なので、終生飼育の覚悟が必要
- 水質管理が大変で、頻繁な水換えやろ過装置が必須
- 餌代や設備費用などの維持コストがかかる
さらに、「飼えなくなったから」といって川や池に放つことは絶対にNGです。ミドリガメは在来のクサガメやイシガメと競争し、生態系に悪影響を及ぼします。
もし飼育が難しくなった場合は、自治体や動物愛護団体に相談し、適切な方法を検討しましょう。
ミドリガメの甲羅の変化と健康管理
ミドリガメを飼育していると、「甲羅がボコボコしてきた」「色が変わってきた」といった変化に気づくことがあります。これらの症状は、成長に伴う自然な変化の場合もありますが、病気や栄養不足が原因の可能性もあります。本章では、ミドリガメの甲羅の異常について詳しく解説し、健康な状態を維持するためのポイントを紹介します。
ミドリガメの甲羅がボコボコになる原因
ミドリガメの甲羅がボコボコしてくる場合、考えられる主な原因は以下の3つです。
✅ ① 栄養バランスの偏り(特にカルシウム不足)
- ミドリガメは成長期にカルシウムやビタミンD3が不足すると、甲羅が正常に発達せず、デコボコになることがあります。
- バランスの悪い餌(肉類ばかり、ペレットだけなど)を与えていると、栄養不足になりやすいです。
✅ ② 甲羅の成長に伴う自然な変化
- 幼体のミドリガメは甲羅が滑らかですが、成長するにつれてゴツゴツした形になることがあります。
- これは個体差があり、必ずしも病気とは限りません。
✅ ③ 甲羅の病気(ピラミッド化や腐敗)
- 「ピラミッド化」とは、甲羅の一部が異常に盛り上がる症状で、過剰なタンパク質摂取が原因とされています。
- 甲羅が白く変色したり、やわらかくなったりしている場合は、**細菌やカビの感染(甲羅腐敗症)**の可能性があります。
健康なミドリガメを維持する飼育ポイント
ミドリガメの甲羅を健康に保つためには、適切な食事と飼育環境が重要です。
🔹 食事のポイント
✅ 主食はバランスの取れた「カメ用ペレット」を中心にする
✅ 小魚や甲殻類(エビなど)を適量与えてカルシウム補給
✅ カルシウムを補うために、ボレー粉(カキ殻)やカルシウム剤を追加
✅ ビタミンD3を生成するため、日光浴またはUVBライトを使用
🔹 飼育環境のポイント
✅ 水質を清潔に保ち、週に1~2回の水換えを徹底
✅ 甲羅干しのために、陸地やバスキングスポット(ホットスポット)を設置
✅ 紫外線を浴びることでカルシウムの吸収が促進されるため、UVBライトは必須
ミドリガメは丈夫な生き物ですが、誤った飼育環境では病気になりやすくなります。特に甲羅の異常は早期発見・早期対策が重要なので、普段から観察を怠らないようにしましょう。
まとめ:ミドリガメの見分け方と正しい対応
本記事では、ミドリガメの特徴や日本の在来種との見分け方、野生で見つけた際の対応、飼育のポイントについて詳しく解説しました。最後に、これまでの内容を振り返り、ミドリガメを正しく理解するためのポイントをまとめます。
ミドリガメの見分け方のポイント
ミドリガメは、クサガメやイシガメと混同されやすいですが、以下の特徴をチェックすると見分けやすくなります。
✅ ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)
- 目の後ろに赤い斑紋がある(成長すると薄くなることも)
- 幼体の甲羅は鮮やかな緑色、成体は黒っぽくなる
- 甲羅の後ろがギザギザしている
- 日本の在来種ではなく、北アメリカ原産の外来種
✅ クサガメとの違い
- クサガメは甲羅が暗褐色~黒色で、黄色いラインが入る
- 喉の部分が成長とともに黄色くなる
✅ イシガメとの違い
- イシガメは甲羅が茶褐色~黒褐色で、ザラザラとした質感
- 目の後ろに小さな黄色い斑点がある
ミドリガメを見つけたときの対応
近年、ミドリガメの野生個体が増え、日本の生態系に影響を及ぼしていることが問題視されています。見つけた際には、以下の対応を心がけましょう。
🚫 放流は法律違反! どんな理由があっても自然に戻してはいけません。
✅ そのままにしておくのが基本。自治体の指示を確認する。
✅ 飼育する場合は終生飼育の覚悟を持つ(寿命20年以上)。
ミドリガメの健康管理と飼育のポイント
飼育する場合は、甲羅の異常を防ぐための環境作りが重要です。
✅ バランスの取れた食事(ペレット・小魚・カルシウム補給)
✅ UVBライトを使用して日光浴を再現(カルシウム吸収を促進)
✅ 水質管理を徹底し、甲羅干しできる環境を整える
ミドリガメは丈夫な生き物ですが、飼育環境が悪いと病気になりやすいため、日頃からしっかり観察し、適切なケアを行いましょう。
おわりに
ミドリガメは、日本ではなじみ深い亀ですが、外来種としての問題も抱えています。見つけたときの対応や、飼育する際の責任を理解し、自然と共生できる方法を考えることが大切です。
もし、ミドリガメを見つけたり飼育を考えたりしている場合は、本記事の内容を参考にして、適切な行動をとりましょう。