ギリシャリクガメは、その穏やかな性格と愛らしい見た目から、初心者にも人気の高いリクガメです。しかし、健康に長生きしてもらうためには、正しい餌選びと与え方が欠かせません。間違った餌や与えすぎ、栄養バランスの偏りは、成長不良や病気の原因になることも。
この記事では、「ギリシャリクガメの餌」をテーマに、種類やおすすめ食材、餌の量・頻度、季節ごとの工夫、さらには「大きくならない原因」や「湿度管理」などの飼育ポイントまで詳しく解説します。これから飼い始める方はもちろん、すでに一緒に暮らしている方も、今日からの餌やりに役立つ内容です。
ギリシャリクガメとは?特徴と生態の基本
ギリシャリクガメ(Testudo graeca)は、地中海沿岸を中心に分布するリクガメの一種で、日本でもペットとして高い人気があります。甲羅は黄色〜褐色で、黒い模様が入り、成長すると甲長は約20〜25cmほどになります。野生では乾燥した草原や低木地帯に生息しており、日光浴を好むため、飼育下でも紫外線ライトや適切な温度管理が必要です。
草食性で、主に野草や葉野菜を食べますが、栄養バランスを考えた餌選びが健康寿命に大きく影響します。また、寿命は30年以上と非常に長く、一生のパートナーになる存在です。性格は比較的穏やかで、個体によっては飼い主に慣れて近寄ってくることもあります。
飼育前に知っておきたい寿命・性格・なつきやすさ
ギリシャリクガメの平均寿命は30〜40年、中には50年以上生きる個体もいます。そのため、飼育を始める際は長期的なライフプランを考えることが重要です。
性格はマイペースで、人を噛むなどの攻撃性はほとんどありませんが、急な動きや大きな音には警戒します。なつくといっても犬や猫のような反応ではなく、餌をもらうときに近寄ってきたり、飼い主の存在を認識する程度です。
飼育環境が適切であれば、健康的に成長し、長く一緒に暮らすことができます。特に「餌の量・質」「湿度・温度管理」「日光浴」の3つは、寿命やなつきやすさにも影響する大切なポイントです。
ギリシャリクガメの餌の種類とおすすめ食材
ギリシャリクガメは完全な草食性で、主食は野草や葉物野菜です。カルシウムが豊富で、リンが少ない食材を中心に選びましょう。以下は特におすすめの餌です。
- 野草類:タンポポ、オオバコ、クローバー
- 葉物野菜:チンゲンサイ、小松菜、モロヘイヤ
- その他:サボテン(棘を取った部分)、ズッキーニ、カボチャの花
注意点として、キャベツやほうれん草などシュウ酸を多く含む野菜は、カルシウムの吸収を妨げるため頻繁には与えない方が良いです。また、市販のリクガメ専用フードも補助的に利用可能ですが、必ず野草や野菜と組み合わせて与えることが大切です。
餌の量と与える頻度の目安
ギリシャリクガメの餌の量は、甲羅の大きさと同じくらいが目安です。成長期(2〜5歳)は栄養を多く必要とするため、毎日新鮮な餌を与えます。成体になったら、週5〜6日程度でも十分です。
頻度のポイント:
- 幼体:毎日
- 成体:週5〜6日(1日は絶食日を設ける)
- 高齢個体:体調を見ながら調整
与えすぎは肥満や内臓疾患の原因になるため、残した餌は放置せず片付けましょう。また、朝〜昼に与えることで、日光浴中に消化を促せます。
大きくならない原因は餌と環境?改善のポイント
「ギリシャリクガメがなかなか大きくならない」という相談は珍しくありません。その原因の多くは、餌の栄養バランス不足か飼育環境の不適切さです。
よくある原因:
- カルシウム不足(甲羅の形成不良)
- 紫外線不足(カルシウム吸収ができない)
- 餌の種類が偏っている
- 飼育温度・湿度が低すぎる
改善のためには、餌にカルシウムパウダーを適量ふりかけ、週数回は屋外や紫外線ライトで日光浴をさせることが効果的です。また、湿度は40〜60%を目安に保ち、冬は保温器具を使って最低温度を確保しましょう。
季節ごとの餌の工夫と水分・湿度管理
ギリシャリクガメは地中海原産のため、日本の四季に合わせた餌の工夫が必要です。
特に湿度と温度は消化や体調に大きく関わるため、季節ごとに次のような対応を心がけましょう。
春・秋
- 活動的になり、食欲も安定
- 野草の種類が豊富なので、多品目をローテーションして与える
- 湿度は40〜60%を目安に保つ
夏
- 高温による食欲減退に注意
- 朝の涼しい時間帯に餌やりを行う
- 水分補給のためにキュウリやサボテンを少量加える
- 飼育容器が高湿度にならないよう換気を確保
冬
- 室内飼育の場合は加温器具で25℃前後を維持
- 餌の量をやや控えめにし、消化不良を防ぐ
- 冬眠させる場合は、事前の絶食と体調チェックを必ず行う
湿度が低すぎると脱水症状や甲羅の変形を招き、高すぎるとカビや呼吸器疾患の原因になります。季節に応じた湿度管理が健康維持の鍵です。
健康維持のための栄養バランスと注意点
ギリシャリクガメの健康を保つためには、カルシウム豊富・リン控えめ・低糖質が基本です。餌の種類が偏ると、甲羅や骨の形成不良、肥満、消化不良などのリスクが高まります。
栄養バランスのポイント:
- カルシウム補給:カルシウムパウダーを週2〜3回餌にふりかける
- 食物繊維:野草・葉物野菜を多めに、糖分の多い果物は控える
- ビタミンD3:日光浴や紫外線ライトで合成を促進
与えてはいけない餌の例:
- 果物の常用(糖分過多で腸内環境悪化)
- パン・パスタなどの加工食品
- 人間用の調味料がついた野菜
健康診断として、便の状態・甲羅の形・食欲を定期的にチェックすることも大切です。栄養と環境の両方を整えることで、ギリシャリクガメは長く元気に暮らせます。
餌やりで気をつけたい病気・トラブル例
ギリシャリクガメは丈夫な種類ですが、餌やりや環境管理が不適切だと以下のようなトラブルが起こることがあります。
① くる病(代謝性骨疾患)
- 原因:カルシウム不足や紫外線不足
- 症状:甲羅が柔らかくなる、変形する
- 予防:カルシウム豊富な餌と日光浴を習慣化
② 消化不良・下痢
- 原因:低温時の餌やり、糖分の多い餌の与えすぎ
- 予防:適正温度(25〜30℃)で餌を与える、果物は控える
③ 肥満
- 原因:餌の与えすぎや高カロリー食材の常用
- 予防:量を甲羅サイズに合わせる、週1日は絶食日を設ける
④ 呼吸器感染症
- 原因:湿度が高すぎる、低温環境
- 予防:湿度を40〜60%に保ち、冬場は保温を徹底
日々の餌やりで異常が見られた場合は、早めに爬虫類対応の動物病院を受診することが大切です。
長生きさせるための飼育環境と日々のケア
ギリシャリクガメは適切な餌と環境を整えれば、30年以上の寿命を全うできます。長生きのためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 多様な餌のローテーション:偏食防止と栄養バランス維持
- 適正な温湿度管理:温度25〜30℃、湿度40〜60%を維持
- 紫外線ライト・日光浴の確保:カルシウム吸収と免疫力向上
- 清潔な飼育環境:糞や残餌はこまめに取り除き、病気予防
- 定期的な健康チェック:体重・甲羅の形・便の状態を観察
また、日々声をかけたり、手から餌を与えることで、飼い主の存在を覚えやすくなります。ギリシャリクガメは急激な変化を嫌うため、環境や餌を大きく変える際は少しずつ慣らしていくことも重要です。
まとめ
ギリシャリクガメの健康と長寿には、正しい餌選びと与え方が欠かせません。
野草や葉物野菜を中心に、カルシウム豊富・リン控えめ・低糖質を意識し、量は甲羅サイズ、頻度は成長段階に合わせて調整しましょう。
また、湿度40〜60%、温度25〜30℃、紫外線の確保は、餌の栄養をしっかり吸収させるためにも重要です。餌の偏りや環境不良は「大きくならない」「病気になる」原因となるため、季節ごとの工夫も忘れないようにしてください。
ギリシャリクガメは30年以上生きるパートナーです。日々の餌やりやケアを通じて、安心できる環境を整え、末永く元気に暮らせるよう大切に育てていきましょう。


