近年、日本各地で見られるようになったクサガメは、その可愛らしい姿からペットとして人気があります。しかし一方で「外来種ではないのか?」「特定外来生物に指定される可能性は?」といった不安の声も広がっています。実際に環境省が管理する特定外来生物の一覧には、さまざまな爬虫類が含まれており、規制対象となった生き物は飼育や販売が禁止されるケースもあります。
本記事では、「クサガメ 特定 外来 生物」をテーマに、クサガメの生態や寿命、外来種としての位置づけ、環境省の最新の見解、そして飼育時の注意点について詳しく解説します。さらに、野外でクサガメを見つけたときの正しい対応方法や、今後の法規制の動向にも触れます。
クサガメをすでに飼っている方はもちろん、これから迎えたいと考えている方や、外来種問題に関心がある方にも役立つ内容になっています。
クサガメと外来種の現状
クサガメとは?寿命や特徴を解説
クサガメ(草亀、学名:Mauremys reevesii)は、日本でも古くから親しまれている淡水性のカメです。背中の甲羅がやや扁平で、成長すると甲長は20cm前後に達します。幼体の頃は甲羅に鮮やかな模様が見られますが、成長するにつれて黒っぽく変化していくのが特徴です。
寿命は飼育下で 20〜30年 とされ、長寿なペットとしても知られています。そのため、一度飼い始めると長期間にわたる世話が必要で、飼育環境や水槽の大きさ、適切な温度管理が重要になります。
もともとは中国を中心とした東アジアに生息しており、日本国内で自然繁殖している個体の多くは、過去に輸入されたものが野外に放流された結果と考えられています。
クサガメは外来種なのか?日本での歴史と定着状況
クサガメは一見すると日本の在来種のように思われがちですが、実は 外来種 とされています。江戸時代から中国や朝鮮半島を経由して持ち込まれた記録があり、日本国内に古くから定着しています。そのため、現在では「日本のカメ」と誤解されやすいのです。
環境省の外来種関連の資料でも、クサガメは外来生物として扱われています。ただし、アカミミガメやミシシッピアカミミガメのように「特定外来生物」にはまだ指定されていません。とはいえ、野外で繁殖が確認されていることから、今後の規制対象になる可能性は十分に考えられます。
特に河川や池でクサガメが在来のニホンイシガメと競合することが問題視されており、外来生物としての位置づけが議論されているのが現状です。
特定外来生物制度とクサガメ
環境省が定める「特定外来生物」とは?一覧や有名な例
「特定外来生物」とは、外来種の中でも特に 生態系・農林水産業・人の生命や健康に被害を与える恐れがある生物 を指し、環境省によって指定されています。
特定外来生物に指定されると、以下の行為が法律で禁止されます。
- 飼育
- 栽培
- 輸入
- 販売・譲渡
- 放流
たとえば、すでに指定されている有名な特定外来生物には、
- ミシシッピアカミミガメ(通称:ミドリガメ)
- アライグマ
- ウシガエル
- アメリカザリガニ(※一部規制)
などが挙げられます。これらは日本の生態系に深刻な影響を与えることから、法律で厳しく管理されています。
クサガメは特定外来生物に指定されているのか?最新動向
では、クサガメは現在「特定外来生物」に指定されているのでしょうか?
結論から言うと、2025年時点ではクサガメはまだ特定外来生物に指定されていません。
しかし、環境省の外来種関連の資料では、クサガメが外来生物であることは明記されており、すでに日本各地で定着・繁殖していることが確認されています。そのため「今後、規制対象となる可能性がある外来種」として注目されています。
特に在来の ニホンイシガメ との競合が懸念されており、生態系保全の観点から「規制を強化すべきではないか」という意見も出ています。もし将来的にクサガメが特定外来生物に指定された場合、現在飼育している個体の扱い、飼育禁止の有無、届け出義務などが議論されることになるでしょう。
飼育に関する注意点と規制
クサガメ飼育は今後禁止になる?規制の可能性と現状
現在(2025年時点)、クサガメの飼育は 禁止されていません。そのため、ペットショップや個人間での流通も行われています。
しかし、もしクサガメが将来的に「特定外来生物」に指定された場合、以下のような規制がかかる可能性があります。
- 新たな飼育・販売・譲渡の禁止
- 放流や繁殖の禁止
- 飼育個体を継続する場合は届け出の義務化
これはすでに「ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)」や「アメリカザリガニ」が例としてあり、いきなり全面禁止ではなく、既存飼育者には経過措置が設けられるケース もあります。クサガメの場合も同様の流れになる可能性が高いでしょう。
クサガメを飼うときの注意点と法律上のリスク
クサガメを飼育する際には、現状禁止されていなくても 注意すべきポイント があります。
- 放流しない:飼えなくなった個体を川や池に放すことは法律で禁止されています。外来種問題の拡大につながるため、必ず里親を探すか専門の回収機関へ相談しましょう。
- 寿命を理解する:クサガメは20〜30年と非常に長生きします。途中で飼育を放棄する人が多いことが外来種定着の原因となっています。
- 飼育環境を整える:十分な水槽の広さ、ろ過装置、日光浴やバスキングライトなど、快適な環境を長期的に維持できるかを考える必要があります。
- 法改正に備える:今後、特定外来生物に指定される可能性を視野に入れ、環境省や自治体の最新情報をチェックしておきましょう。
クサガメはまだ規制対象ではありませんが、外来生物としての位置づけが明確になりつつあるため、飼育者には 「最後まで責任を持つ姿勢」 が求められます。
野外でクサガメを見つけたら
クサガメを発見した際の対応方法
川や池などの自然環境でクサガメを見つけることは珍しくありません。すでに日本各地で野生化しており、特に都市部の公園や農業用水路でも目撃されています。
では、もし野外でクサガメを見つけたらどうすればよいのでしょうか?
- むやみに捕獲しない:外来種だからといって個人が勝手に駆除するのは適切ではありません。生態系への影響や法律上の問題が生じる可能性があります。
- 自治体や環境関連機関に報告:地域によっては外来生物の調査を行っている自治体やNPOがあるため、情報提供することが望ましいです。
- 野外個体を持ち帰らない:野生下で繁殖しているクサガメを家庭に持ち帰ると、病原体の持ち込みや既存ペットとのトラブルにつながる危険があります。
発見時には「観察」に留め、適切な機関に相談するのが最善の対応といえるでしょう。
放流が禁止される理由と環境への影響
クサガメを飼えなくなったときに川や池へ放す行為は、法律で禁止 されています。これは単にモラルの問題ではなく、外来種による深刻な環境被害を防ぐためです。
放流が問題となる理由は以下の通りです。
- 在来種との競合:特に日本固有のニホンイシガメとの生息域争いが発生し、個体数減少を招く可能性があります。
- 病気の媒介:飼育個体から持ち込まれた病原菌や寄生虫が野生環境に広がる恐れがあります。
- 生態系バランスの崩壊:水生昆虫や小魚などの食物連鎖に影響を与え、自然環境の均衡を壊しかねません。
そのため、環境省も「外来種は絶対に放さないでください」と強く呼びかけています。クサガメに限らず、外来生物を自然に戻す行為は一見「優しさ」のように思えても、生態系にとっては大きなリスクになります。
まとめ
クサガメと共生するために知っておくべきこと
クサガメは日本で古くから見られる身近なカメですが、本来は 外来種 です。長寿で飼いやすい一方、外来生物として自然環境に影響を与える可能性があることを忘れてはいけません。
- クサガメは寿命が20〜30年と長く、最後まで責任を持って飼育する必要がある
- 野外で見つけても捕獲や放流はせず、適切に対応することが重要
- 環境省の最新情報をチェックし、法改正や規制の動向に備えておく
飼育する際は、「ただ可愛いから」ではなく、環境や生態系への影響まで考慮した姿勢が求められます。
今後の法改正や規制への備え
現時点ではクサガメは「特定外来生物」には指定されていませんが、在来種への影響や繁殖の広がりを考えると、将来的に規制の対象となる可能性は十分にあります。
すでに特定外来生物に指定されたミシシッピアカミミガメやアライグマの例を見てもわかるように、一度規制されれば「飼育禁止」や「届け出義務」が課されるのは時間の問題です。
飼い主としてできることは、
- 正しい知識を持ち、無責任な放流をしない
- 法律や制度の変化を追い、迅速に対応できるよう備える
ことです。
クサガメと暮らすことは可能ですが、それは「環境保全と共生の意識」があってこそ成り立つもの。今後の規制動向を注視しながら、責任ある飼育を心がけましょう。


