ミドリガメの皮膚がむける、ただれる、白い斑点ができる……こうした症状は、水カビ病をはじめとする皮膚病の可能性があります。特に水カビ病は放置すると命に関わることもあり、早めの対処が重要です。
本記事では、ミドリガメの皮膚病や水カビ病の症状・原因・治療法について詳しく解説します。**「亀の皮膚がむけているけど大丈夫?」「白い斑点が出てきたらどうすればいい?」**といった疑問を持つ飼い主さんに向けて、自宅でできる対処法や病院での治療、再発を防ぐための飼育環境の改善方法まで紹介します。
大切なミドリガメを守るために、ぜひ最後までご覧ください。
ミドリガメの皮膚病とは?
ミドリガメの皮膚は、健康な状態ではしっとりとしており、傷や異常がほとんどありません。しかし、飼育環境の悪化や病気によって、皮膚がむける・ただれる・白い斑点ができるなどの症状が現れることがあります。ここでは、ミドリガメの皮膚病の種類と、それぞれの原因について解説します。
ミドリガメの皮膚病の種類と症状
ミドリガメがかかりやすい皮膚病には、以下のようなものがあります。
① 水カビ病
- 症状:皮膚に白い綿のようなものが付着する、皮膚がただれる
- 原因:水質の悪化、傷口からの感染、免疫力の低下
② 皮膚炎(細菌感染)
- 症状:皮膚が赤く腫れる、膿が出る、ただれる
- 原因:不衛生な環境、ケガを放置、細菌感染
③ 甲羅の異常(白い斑点・甲羅腐敗)
- 症状:甲羅に白い斑点ができる、甲羅が柔らかくなる
- 原因:水カビ病の進行、細菌や真菌(カビ)の感染
皮膚がむける・ただれる原因とは?
ミドリガメの皮膚がむける・ただれるのは、以下のような理由が考えられます。
- 成長に伴う脱皮:健康なミドリガメは成長するにつれて古い皮膚が自然にはがれます。ただし、異常にむける場合は注意が必要です。
- 水カビ病の影響:水カビが付着すると皮膚が傷み、剥がれやすくなることがあります。
- 細菌感染や傷口の悪化:傷口から細菌が侵入し、炎症を起こして皮膚が剥がれることがあります。
- 水質の悪化による皮膚トラブル:水が汚れていると、皮膚が刺激を受けて炎症を起こしやすくなります。
ミドリガメの皮膚がむける・ただれる症状が見られた場合は、病気によるものなのか、それとも正常な脱皮なのかを見極めることが重要です。
水カビ病とは?ミドリガメがかかる危険性
水カビ病は、ミドリガメを含む水生生物がかかりやすい皮膚病の一つです。特に水質の悪化や免疫力の低下が原因となり、皮膚や甲羅に白いカビのようなものが付着するのが特徴です。重症化すると食欲不振や衰弱を引き起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。ここでは、水カビ病の症状や原因について詳しく解説します。
水カビ病の症状|白い斑点や皮膚の異変
水カビ病は初期段階では気づきにくいですが、以下のような症状が現れます。
✅ 皮膚や甲羅に白い綿のようなものが付着
✅ 皮膚がただれる・赤くなる
✅ 甲羅に白い斑点ができる
✅ 食欲不振・動きが鈍くなる
水カビ病が進行すると、皮膚や甲羅が損傷し、細菌感染を引き起こすこともあります。特に「甲羅に白い斑点ができた」「皮膚が赤く腫れている」といった異変が見られた場合は、早めの対処が必要です。
水カビ病の原因|なぜ発症するのか?
水カビ病は、**水生カビ(サプロレグニア菌)**が原因で発生します。以下のような環境が整うと、ミドリガメが水カビ病にかかりやすくなります。
- 水質の悪化:水が汚れているとカビが繁殖しやすくなる
- 温度の低下:低温環境では免疫力が低下し、感染しやすくなる
- 傷の放置:皮膚に傷があると、そこからカビが侵入する
- ストレス:ストレスが多い環境(狭い水槽、他の亀とのケンカなど)も発症の要因
特に冬場は水温が低下し、免疫力が落ちるため、水カビ病にかかるリスクが高まります。
亀の水カビ病は放置すると死ぬ?
水カビ病は軽症のうちに治療すれば完治します。しかし、放置すると症状が悪化し、以下のような深刻な状態になる可能性があります。
⚠ 皮膚や甲羅がボロボロになる → 二次感染を起こしやすくなる
⚠ 食欲がなくなる → 栄養不足で体力が低下
⚠ 呼吸困難を引き起こすことも → カビが口や鼻に付着すると危険
最悪の場合、免疫力の低下により他の病気を併発し、命を落とすこともあります。そのため、水カビ病を疑ったらすぐに適切な治療を行うことが大切です。
ミドリガメの皮膚病・水カビ病の治療と対策
水カビ病やその他の皮膚病は、早期に適切な対処をすれば治る可能性が高い病気です。しかし、放置すると重症化し、ミドリガメの健康を大きく損なうことになります。ここでは、自宅でできる治療法や、症状が悪化した場合の動物病院での治療、再発防止策について詳しく解説します。
水カビ病・皮膚病の治し方|自宅でできる対処法
① 患部を消毒する
水カビ病の初期段階であれば、食塩浴や薬浴で治ることが多いです。
- 食塩浴(軽症の場合)
- 0.5~1%の塩水を作り(1リットルの水に5~10gの塩を溶かす)、1日5~10分、2~3日続けて入れる。
- カビの繁殖を抑え、皮膚の回復を助ける効果がある。
- 薬浴(症状が進行している場合)
- 「グリーンFゴールド」「メチレンブルー」などの魚用抗菌剤を薄めた水に亀を短時間浸ける。
- 用法・濃度を守ることが重要。
② 水槽の水を清潔に保つ
- できれば毎日、水を交換し、水槽を徹底的に洗う。
- ろ過フィルターを使用して水を浄化する。
- 低水温にならないようにヒーターを設置し、適温(25~28℃)を保つ。
③ 日光浴をさせる
- 紫外線はカビの発生を抑える働きがあるため、1日30分以上日光浴をさせる。
- 屋内飼育の場合は、UVライトを設置する。
症状が悪化した場合の動物病院での治療法
自宅での治療で改善しない場合や、以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
✅ 皮膚や甲羅がボロボロになっている
✅ 食欲がなくなった
✅ 目が腫れる、呼吸が苦しそう
✅ 水カビが広範囲に広がっている
病院では、抗生剤や抗真菌剤の投与、傷の処置などを行ってもらえます。ミドリガメの診察が可能な爬虫類専門の動物病院を事前に調べておくと安心です。
再発防止のためにできること|飼育環境の改善ポイント
水カビ病は、環境の悪化が主な原因です。再発を防ぐためには、普段の飼育環境を見直すことが重要です。
✅ 水質管理を徹底する(週に2~3回の水換え&フィルターの使用)
✅ 水温を25~28℃に保つ(ヒーターを使用)
✅ 日光浴を習慣化する(UVライトや屋外での日光浴)
✅ ケガを防ぐ(岩や流木などのレイアウトに注意)
✅ 栄養バランスの取れた食事を与える(カルシウム・ビタミンD3を補給)
これらを意識することで、水カビ病だけでなく、他の皮膚病や病気の予防にもつながります。
まとめ|ミドリガメの皮膚病を防ぐために大切なこと
ミドリガメの皮膚病は、水カビ病をはじめとする感染症が原因で発生しやすく、放置すると悪化して命に関わることもあります。しかし、早期発見・適切な治療・飼育環境の改善を行うことで、しっかり回復させることが可能です。
今回の記事で紹介したポイントをおさらいしましょう。
✅ ミドリガメの皮膚病の主な症状
- 皮膚がむける・ただれる・赤くなる
- 皮膚や甲羅に白い斑点や綿のようなカビが生える
- 食欲不振や動きが鈍くなる
✅ 水カビ病の治療法
- 食塩浴・薬浴で早めの対処
- 水換えやフィルター使用で水を清潔に保つ
- 適温管理&日光浴で免疫力を高める
- 重症の場合は動物病院で適切な治療を受ける
✅ 再発を防ぐための環境管理
- 週2~3回の水換え+フィルターの活用
- 水温を25~28℃に保つ
- 紫外線ライトを使用し、日光浴の時間を確保する
- 栄養バランスの取れた食事を与え、健康を維持する
大切なミドリガメが健康に長生きできるように、日頃から適切な環境を整え、早期に異変に気づくことが何よりも重要です。
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