ミドリガメは可愛らしい見た目からペットとして人気がありますが、実は「菌」との関係が深い生き物です。特に サルモネラ菌 を持っていることが多く、適切な管理をしないと 人に感染し健康被害を引き起こす 可能性があります。
「ミドリガメを飼っているけど、菌は大丈夫？」
「サルモネラ菌の除菌方法や対策を知りたい！」
このように考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか？本記事では ミドリガメと菌の関係や感染リスク、正しい除菌・対策方法 について詳しく解説します。さらに、ミドリガメの飼育が禁止された理由にも触れながら、安全に飼育するためのポイントを紹介。 正しい知識を身につけて、健康を守りながらミドリガメとの暮らしを楽しみましょう！
ミドリガメと菌の関係とは？
ミドリガメに潜むサルモネラ菌とは？
ミドリガメをはじめとする爬虫類の多くは、サルモネラ菌 を持っていることで知られています。サルモネラ菌は自然界に広く存在する細菌の一種で、人間や動物の腸内にも生息しています。しかし、ミドリガメが持つサルモネラ菌の中には 食中毒の原因となるもの も含まれており、適切な対策をしないと感染するリスクがあります。
ミドリガメの菌はどこから来るのか？
ミドリガメがサルモネラ菌を持っている理由はいくつかあります。
- 生まれつき保有している：ミドリガメは孵化した時点でサルモネラ菌を持っていることが多い。
- 周囲の環境から付着：水や土、他の生き物を通じて菌が広がる。
- 糞を通じた感染：ミドリガメの糞に含まれるサルモネラ菌が水槽内に広がることで、甲羅や皮膚に付着する。
水槽の掃除が不十分だったり、適切な衛生管理を怠ると、菌がどんどん増えてしまいます。
ミドリガメの菌は空気感染するのか？
サルモネラ菌は 基本的に空気感染しません。しかし、以下のようなケースでは 間接的に感染リスク が高まることがあります。
- 水槽の水しぶきが飛び散る → 水に含まれた菌が周囲の物に付着する
- 甲羅や皮膚についた菌が手に移る → その手で食べ物を触ると感染リスクが上がる
- 掃除中に乾燥した糞や汚れが舞い上がる → それを吸い込むことで間接的に体内に入る
このため、ミドリガメを触った後は必ず手を洗う ことや、水槽の掃除時には飛び散りを防ぐことが重要です。
ミドリガメとサルモネラ菌のリスク
ミドリガメのサルモネラ菌はなぜ危険なのか？
サルモネラ菌は、人間に感染すると 食中毒や胃腸炎 を引き起こす危険な細菌です。特に 免疫力の低い子どもや高齢者 は感染リスクが高く、重症化する可能性もあります。
ミドリガメのサルモネラ菌が危険とされる理由は以下の通りです。
- 菌を持っていてもミドリガメ自身は症状が出ない → 飼い主が気づかないうちに感染リスクが高まる
- 水槽や体表に菌が付着しやすい → 掃除や触れた手を介して広がる
- 少量の菌でも感染する可能性がある → 免疫が弱い人は特に注意が必要
サルモネラ菌による健康被害とは？
サルモネラ菌に感染すると、一般的に サルモネラ症 を発症します。症状としては以下のようなものが挙げられます。
- 発熱（38℃以上の高熱になることも）
- 激しい腹痛や下痢
- 嘔吐や吐き気
- 倦怠感や頭痛
通常は 数日で回復 しますが、重症化すると脱水症状や敗血症を引き起こし、入院が必要になることも あります。特に 乳幼児や高齢者、妊婦 は感染リスクが高いため、注意が必要です。
ミドリガメに毒性はあるのか？
「ミドリガメは毒を持っているのでは？」と心配する人もいますが、ミドリガメ自体に毒性はありません。しかし、ミドリガメの体表や糞に付着した サルモネラ菌が間接的に健康被害を引き起こす ため、「危険な生き物」と認識されることもあります。
安全に飼育するためには、サルモネラ菌の除菌や感染対策を徹底することが重要 です。
ミドリガメのサルモネラ菌対策と除菌方法
サルモネラ菌を除去するための飼育環境の整え方
ミドリガメを飼育する際に、サルモネラ菌を減らし、感染リスクを抑える ためには、清潔な環境を維持することが最も重要です。以下のポイントを意識しましょう。
✅ 水槽の水をこまめに交換する
- 最低でも 週に1～2回は水換え を行う
- 濾過フィルターを設置し、水質を清潔に保つ
✅ 水槽や飼育用品の定期的な洗浄
- 水槽、フィルター、甲羅干し用の石などを 専用のブラシやスポンジ でこまめに掃除する
- 飼育用品は家のシンクではなく屋外や専用の場所で洗う
✅ 菌の繁殖を防ぐための工夫
- 水温が高いと菌が繁殖しやすいため、適正な温度管理をする
- 甲羅や体表に菌が付着しやすいため、定期的にぬるま湯で軽く洗ってあげる
ミドリガメを触った後の正しい手洗い方法
サルモネラ菌は 手を介して口や目に入ることで感染する ため、ミドリガメを触った後は必ず手を洗いましょう。
✅ 正しい手洗い手順
- 石鹸をつけて30秒以上 しっかり手を洗う
- 指の間・爪の間・手首 まで丁寧にこする
- 流水でしっかりすすぐ
- 清潔なタオルまたはペーパータオルで拭く
特に 小さな子どもがいる家庭では、ミドリガメを触った後に顔や口を触らないよう注意 しましょう。
サルモネラ菌の除菌は可能？効果的な消毒方法
完全にサルモネラ菌を除去することは難しいですが、感染リスクを大幅に減らす ことは可能です。
✅ 効果的な消毒方法
- 次亜塩素酸ナトリウム（家庭用漂白剤を薄めたもの）で水槽を定期的に消毒する
- 熱湯消毒（60℃以上のお湯に1分以上つける）
- アルコール消毒（70%以上のエタノール）を手や飼育用品に使用
ただし、アルコール消毒は水槽やカメの体表には使えない ため注意が必要です。
ミドリガメの飼育と法律の関係
ミドリガメの飼育が禁止された理由とは？
ミドリガメ（ミシシッピアカミミガメ）は、かつては手軽に飼えるペットとして人気がありました。しかし、現在では 一部の地域で飼育や販売が禁止される動き が広がっています。その主な理由は以下の3つです。
✅ 外来種として生態系に悪影響を及ぼす
ミドリガメは 繁殖力が強く、在来種を圧倒する ため、日本各地で生態系を破壊しています。特に、 イシガメやクサガメなどの在来種の生息域を奪い、個体数の減少を引き起こしている ことが問題視されています。
✅ サルモネラ菌による健康リスク
ミドリガメがサルモネラ菌を持っていることが知られ、特に小さな子どもや高齢者が感染するリスク が指摘されています。そのため、一部の国では 子ども向けのペットとしての販売が制限 されています。
✅ 無責任な飼育放棄が増えている
「思ったより大きくなる」「世話が大変」という理由で、飼い主が野外に放すケースが多発 しています。これにより、日本各地で野生化したミドリガメが増加し、環境省が「条件付き特定外来生物」に指定する方針を発表 しました。
飼育禁止の背景にある環境問題と健康リスク
2023年、環境省は ミシシッピアカミミガメを「条件付き特定外来生物」に指定 する方針を固めました。これは、すぐに飼育が禁止されるわけではありませんが、今後、規制が厳しくなる可能性がある ことを意味します。
✅ 「条件付き特定外来生物」とは？
- 新たな販売や輸入が制限 される
- 無許可での放流が禁止 される
- 今後、飼育許可が必要になる可能性もある
✅ 飼い主が守るべきルール
- 最後まで責任をもって飼育する（飼育放棄は絶対にNG）
- 増えすぎた場合の対策を考える（繁殖を防ぐためにオスメスを分けるなど）
- 法律や自治体のルールを確認する（自治体によってはすでに飼育が規制されている場合もある）
まとめ：安全にミドリガメを飼育するために
ミドリガメの飼育を楽しむための注意点
ミドリガメは長生きする生き物で、適切に飼育すれば 20年以上生きることもあります。しかし、サルモネラ菌の問題や飼育放棄の増加により、飼い主には高い責任が求められる ようになっています。
✅ ミドリガメを安全に飼育するポイント
- サルモネラ菌の感染対策を徹底する（こまめな手洗い・掃除・消毒）
- 適切な水槽環境を維持する（ろ過装置の導入・定期的な水換え）
- 最後まで責任を持って飼育する（簡単に捨てたりしない）
- 自治体のルールを確認する（今後の規制に備える）
サルモネラ菌対策を徹底して安全に飼おう
ミドリガメと菌の関係を正しく理解し、適切な対策を講じれば、安心して一緒に暮らすことができます。
🔹 ミドリガメはサルモネラ菌を持っているが、適切な対策でリスクは抑えられる
🔹 手洗いや環境の清掃を徹底することで感染を防ぐことが可能
🔹 無責任な飼育放棄はせず、最後までしっかりお世話をする
ミドリガメとの暮らしを楽しみながら、正しい知識を持って安全に飼育していきましょう！
