ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、飼いやすく人気のあるペットですが、適切な餌を与えなければ健康を損ねてしまいます。では、ミドリガメが食べるものにはどのような種類があるのでしょうか?また、食べてはいけないものは何でしょうか?
本記事では、ミドリガメの食性やおすすめの餌、与えてはいけない食材を詳しく解説します。さらに、成長段階に合わせた餌の選び方や、ミドリガメの飼育禁止についても触れていきます。ミドリガメの健康を守るために、正しい知識を身につけましょう!
ミドリガメの基本的な食性
ミドリガメは何を食べる?野生と飼育下の違い
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は雑食性のカメで、野生と飼育下では食べるものに違いがあります。
野生のミドリガメの食事
野生では、水草や藻類などの植物を食べるほか、小魚、昆虫、水生生物(エビや貝など)を捕食します。特に幼体のころは動物性の餌を好み、成長するにつれて植物性のものを多く食べるようになります。
飼育下のミドリガメの食事
ペットとして飼育する場合、市販のカメ用ペレットが主な餌になります。これに加えて、野菜や果物、小魚やエビなどをバランスよく与えることが大切です。ただし、与えてはいけない食材もあるため、適切な餌を選ぶ必要があります。
ミシシッピアカミミガメの食べ物の特徴
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の食べ物には、以下のような特徴があります。
- 成長とともに食性が変化する
幼体のうちはタンパク質を多く含む動物性の餌を好みますが、成長すると植物を多く食べるようになります。これは、野生環境でも同様の傾向が見られます。 - 水中での食事を好む
ミドリガメは水中で餌を食べる習性があり、陸上ではうまく食べられません。そのため、餌やりの際は水中で食べられるようにするのがポイントです。 - 消化に適した餌が必要
ミドリガメの消化器官は繊維質の多い植物にも適応していますが、一部の食材は消化しづらいことがあります。たとえば、消化の悪い肉類や乳製品などは避けるべきです。
このように、ミドリガメの食性を理解することで、健康的な食事管理ができるようになります。
ミドリガメに与えるべき餌とは?
ミドリガメにおすすめの餌一覧
ミドリガメを健康に育てるためには、バランスの取れた餌を与えることが重要です。以下のような餌を組み合わせて与えましょう。
✅ 市販のカメ用ペレット(主食)
- ミドリガメ専用の栄養バランスが整ったペレット
- ビタミンやカルシウムが含まれており、甲羅の成長をサポート
✅ 野菜(副食)
- 小松菜、チンゲンサイ、水菜
- レタス(種類によっては栄養が少ないため与えすぎ注意)
- トマト(少量ならOK)
✅ 動物性たんぱく質(幼体期や栄養補給用)
- 乾燥エビやアカムシ、ミミズ
- 小魚(川魚は寄生虫リスクがあるため、熱処理したものを)
✅ 果物(おやつとして少量)
- バナナ、イチゴ、リンゴ(種は取り除く)
- 糖分が多いため、与えすぎないこと
バランスよく餌を与えることで、ミドリガメの健康を維持できます。
ミドリガメが食べられる野菜とは?
ミドリガメは植物も食べますが、すべての野菜が適しているわけではありません。
◎ ミドリガメにおすすめの野菜
- 小松菜、チンゲンサイ、水菜(カルシウム豊富)
- にんじん(薄切りにして少量)
- かぼちゃ(加熱して柔らかくすると食べやすい)
✖ 与えてはいけない野菜
- ほうれん草(シュウ酸がカルシウムの吸収を阻害)
- ねぎ類(中毒を引き起こす可能性あり)
- じゃがいも(消化しにくい)
野菜を与える際は、よく洗い、食べやすい大きさに切ることが大切です。
市販の餌と手作り餌、どっちがいい?
市販の餌のメリット
- 栄養バランスが整っている
- 保存がきくため管理が簡単
手作り餌のメリット
- 食材を自由に選べる
- 添加物を避けられる
基本的には市販のペレットを主食にしながら、野菜や動物性タンパク質を補助的に与えるのがおすすめです。手作り餌を与える場合は、栄養バランスに注意しながら適量を与えましょう。
ミドリガメが食べてはいけないもの
亀に与えてはいけない危険な食材一覧
ミドリガメにとって危険な食材を与えると、健康を害する可能性があります。以下の食材は避けましょう。
❌ シュウ酸を多く含む野菜
- ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ(シュウ酸がカルシウムの吸収を妨げ、甲羅の成長を阻害)
❌ ネギ類
- 玉ねぎ、にんにく、長ねぎ(消化不良や中毒を引き起こす)
❌ 乳製品・加工食品
- チーズ、ヨーグルト、パン、人間用のお菓子(カメは乳糖を分解できず、消化不良を起こす)
❌ 脂肪分の多い肉類
- 牛肉、豚肉、鶏肉(消化に悪く、肝臓に負担をかける)
❌ 毒性のある果物の種や皮
- リンゴの種、アボカド(アボカドは特に有害な成分を含むため厳禁)
ミドリガメが消化しにくい食べ物とは?
ミドリガメは消化能力が限られているため、以下のような食べ物は避けた方が良いでしょう。
- 生のジャガイモや豆類(でんぷん質が多く、消化不良を引き起こす)
- 硬すぎる野菜(ニンジンやカボチャは加熱して柔らかくすると食べやすい)
- 大きすぎる餌(ミドリガメが噛み切れず、喉に詰まる可能性がある)
誤ってNG食材を食べた時の対処法
もしミドリガメが食べてはいけないものを口にしてしまった場合、すぐに適切な対応を取りましょう。
1️⃣ 様子を観察する
- すぐに元気がなくなる、吐く、食欲がなくなる場合は要注意。
2️⃣ 水を多めに与える
- 水分を摂取することで毒素の排出を助ける。
3️⃣ 獣医に相談する
- 亀を診察できる爬虫類専門の動物病院に連絡し、指示を仰ぐ。
ミドリガメの健康を守るためにも、誤った食材を与えないよう注意しましょう。
ミドリガメの食事管理と注意点
ミドリガメの年齢に応じた餌の選び方
ミドリガメは成長段階によって食性が変化するため、年齢に合わせた餌を与えることが重要です。
✅ 幼体(0〜1歳)
- 主に動物性たんぱく質(乾燥エビ、アカムシ、小魚など)を多めに与える
- 市販のカメ用ペレットを主食にしつつ、補助的に野菜も少量加える
- 成長が早いため、栄養価の高い餌が必要
✅ 成体(1歳以上)
- 植物性の餌の割合を増やし、小松菜やチンゲンサイなどの野菜を多くする
- 動物性たんぱく質は週に数回程度でOK
- 市販のペレットを基本とし、カルシウム補給のためにカットしたイカの甲やカメ用サプリを与える
ミドリガメの成長に合わせて食事内容を調整することで、健康的に育てることができます。
餌の量と頻度の適切なバランスとは?
ミドリガメの餌の与えすぎは肥満や水質悪化につながるため、適量を守ることが大切です。
✅ 幼体(0〜1歳)
- 1日2回(朝・夕)
- 甲羅の大きさと同じくらいの量のペレットを与える
- 動物性たんぱく質を多めにしつつ、バランスを取る
✅ 成体(1歳以上)
- 1日1回または2日に1回
- 甲羅の半分程度の量のペレットを目安にし、野菜を多めに加える
- 動物性たんぱく質は週2〜3回程度に抑える
餌の与えすぎは病気の原因になるため、適切な量を心がけましょう。
偏食や食欲不振の原因と対策
ミドリガメが餌を食べない場合、以下の原因が考えられます。
❌ 水温が低すぎる
- ミドリガメは変温動物のため、水温が低くなると消化機能が低下し、食欲が落ちる
- 適正な水温(25〜28℃)を保つことで、食欲を維持
❌ 餌の種類に飽きている
- 毎日同じ餌ばかりでは飽きることもある
- ペレットだけでなく、野菜や動物性たんぱく質を適度に組み合わせる
❌ 体調不良や病気
- 長期間食欲がない場合、消化器系の異常や感染症の可能性がある
- 甲羅が柔らかくなる、目が腫れるなどの症状がある場合は、すぐに獣医へ相談
ミドリガメの食事管理をしっかり行い、健康的な成長をサポートしましょう。
ミドリガメの飼育禁止と今後の対応
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の飼育禁止はいつから?
ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)は、日本国内で外来種問題の原因となっており、環境への影響が懸念されています。そのため、2023年に「条件付特定外来生物」に指定され、2026年から販売・放流・譲渡が禁止される予定です。
✅ 禁止される行為
- 新たにミドリガメを販売・購入すること
- 野外へ放流すること(これまでも違法)
- 他人に譲ること
✅ 飼育は可能?
- 現在飼っている個体は、引き続き飼育可能
- しかし、正しく管理しなければならない(逃がすと罰則の可能性あり)
この法規制は、ミドリガメの無責任な放流を防ぐために制定されました。今後も責任を持って飼育することが求められます。
飼育禁止後の対応と今からできる準備
2026年以降、ミドリガメの流通が停止するため、現在飼育している人は以下の点に注意する必要があります。
✅ 飼育環境を整える
- 長期間飼育することを考え、大きめの水槽やろ過装置を準備する
- ミドリガメは寿命が20〜30年と長いため、終生飼育できるか再確認
✅ 万が一飼えなくなったら?
- 家族や知人に譲るのは禁止されるため、慎重に計画を立てる
- 各自治体が設置する「外来種引き取り施設」があるか事前に調べる
- 捨てたり逃がしたりすることは法律で禁止されているため、絶対にしない
✅ 今からできること
- これからミドリガメを飼いたい人は、別の在来種のカメ(クサガメなど)を検討
- 飼育中のミドリガメが繁殖しないように、適切な管理を行う
ミドリガメの飼育禁止は、環境問題を考慮した決定です。今後も責任を持って飼育し、適切な対応を心がけましょう。
まとめ
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は雑食性で、市販のペレットを主食にしながら、野菜や動物性たんぱく質をバランスよく与えることが重要です。しかし、ほうれん草やネギ類、乳製品、脂肪分の多い肉などは健康を害する可能性があるため注意が必要です。
また、年齢に応じた食事管理を行い、餌の量や頻度を調整することで、肥満や栄養不足を防ぐことができます。もし食欲不振になった場合は、水温や体調の変化をチェックし、必要に応じて獣医に相談しましょう。
さらに、2026年からミドリガメの販売・譲渡が禁止されるため、現在飼育している人は最後まで責任を持って飼い続ける必要があります。ミドリガメは寿命が20〜30年と長いため、終生飼育できる環境を整えておくことが大切です。
ミドリガメの正しい食事管理と適切な飼育方法を理解し、健康で長生きできる環境を作りましょう!