「ミドリガメを飼えなくなったら、どうすればいいの?」
飼い始めたときは小さくて可愛かったミドリガメ。しかし、成長とともに水槽が手狭になったり、世話が大変になったりして、「もう飼い続けるのが難しい」と感じる飼い主も少なくありません。
しかし、ミドリガメを川や池に放すのは絶対にNG! ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は特定外来生物に指定されており、野外に放すと生態系に深刻な影響を与える可能性があります。では、どうすれば適切に手放すことができるのでしょうか?
本記事では、ミドリガメの正しい引き取り方法や、無料で引き取ってくれる施設・団体、里親を探す方法について詳しく解説します。飼えなくなる前に知っておくべきことや、ミドリガメを見つけたときの対応についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
ミドリガメを飼えなくなったらどうする?
ミドリガメを手放したい理由とは?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、ペットショップや縁日などで手軽に入手できるため、子どものペットとして人気があります。しかし、飼い続けるうちに、以下のような理由で手放したくなるケースが増えています。
- 予想以上に大きくなった
→ ミドリガメは成長すると甲長30cm近くになることもあり、小さな水槽では飼えなくなります。 - 世話が大変になった
→ 水替えや餌やりなどの管理が負担になり、手間をかけられなくなる飼い主も少なくありません。 - 寿命が長すぎる
→ ミドリガメの寿命は20~30年と長く、途中で飼育を続けられなくなることがあります。 - 引っ越しやライフスタイルの変化
→ 進学・転勤・結婚などの理由で、飼い続けられなくなる場合もあります。
このような理由で「手放したい」と考える飼い主が多いですが、決して安易に自然に放さないことが重要です。
無責任な放流は絶対NG!環境への影響
ミドリガメは、日本の生態系に深刻な影響を与える外来種として問題視されています。安易に川や池に放してしまうと、次のようなリスクが発生します。
✅ 在来種を脅かす
→ 在来のニホンイシガメやクサガメと競争し、食糧や生息地を奪ってしまう。
✅ 爆発的に増殖する
→ 繁殖力が強く、放流された個体が増えてしまうと、駆除が難しくなる。
✅ 水質の悪化を引き起こす
→ 大量の糞をするため、池や川の水が汚れやすくなる。
このような理由から、ミドリガメの野外放流は法律で禁止されています(外来生物法)。罰則として懲役3年以下または300万円以下の罰金が科せられる可能性もあるため、絶対にやめましょう。
「飼えなくなったから放す」というのは、飼い主の身勝手な行為。では、正しい引き取り先はどこなのでしょうか?次の章で詳しく解説します。
ミドリガメの引き取り先を探す方法
亀を無料で引き取ってくれる施設・団体
ミドリガメを手放したい場合、まずは引き取りを行っている施設や団体を探しましょう。
✅ 動物園・水族館
→ 一部の施設では教育目的や展示用として亀の引き取りを行っていることがあります。ただし、どこでも引き取ってくれるわけではないので、事前に問い合わせが必要です。
✅ 亀の保護団体・NPO法人
→ 全国には、外来種問題に対応するために亀を保護している団体があります。無料で引き取ってくれる場合もありますが、スペースや資金の問題で受け入れが制限されていることが多いです。
✅ 自治体の外来種対策窓口
→ 一部の自治体では、外来種の引き取りを行っていることがあります。「〇〇市 外来種 引き取り」などで検索すると、該当する情報が見つかるかもしれません。
✅ ペットショップ・爬虫類専門店
→ 一部のペットショップや爬虫類専門店では、ミドリガメを引き取ってくれる場合があります。ただし、全ての店舗で対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
大きくなったミドリガメを引き取ってくれる場所は?
成長したミドリガメは、引き取り手が見つかりにくいのが現実です。しかし、以下の方法で受け入れ先を探せる可能性があります。
✅ 亀の里親募集サイト・SNS
→ 亀の飼育経験がある人に譲るのが理想的です。Twitter(X)やFacebookの爬虫類飼育グループで募集をかけると、引き取ってくれる人が見つかることもあります。
✅ 爬虫類イベント・交流会
→ 爬虫類愛好家が集まるイベントや交流会では、亀の引き取りを希望する人がいることもあります。
✅ 爬虫類専門の掲示板やアプリ
→ 「ジモティー」「ペットのおうち」などのサイトを活用して、里親を募集するのも一つの方法です。
関西でミドリガメの引き取りを行っている団体
関西地域でミドリガメの引き取りを行っている団体をいくつか紹介します。
- 大阪の外来生物保護センター
→ 特定外来種の管理・保護を行っている団体。ミドリガメの引き取りも相談可能。 - 兵庫の爬虫類レスキュー団体
→ 亀を含む爬虫類の保護活動を行っており、里親探しのサポートも実施。 - 京都のNPO法人「カメの未来を考える会」
→ 亀の適正飼育・保護活動を推進しており、相談を受け付けている。
関西以外の地域でも、外来種の保護活動を行っている団体は存在するので、**「ミドリガメ 引き取り 〇〇(地域名)」**で検索すると見つかるかもしれません。
ミドリガメを正しく手放すためのステップ
里親を探す際のポイントと注意点
ミドリガメを手放す際、できるだけ新しい飼い主(里親)を見つけることが理想的です。しかし、里親探しには慎重な対応が求められます。
✅ 里親を探す方法
- ペットの里親募集サイト(例:「ペットのおうち」「ジモティー」)に掲載する。
- **SNS(TwitterやFacebookの爬虫類グループ)**で募集をかける。
- 爬虫類専門のフォーラムや掲示板で引き取り希望者を募る。
- 知人・友人に声をかける(動物好きな人がいないか確認する)。
✅ 里親探しの注意点
- 本当に亀を飼える環境か確認する
→ 「とりあえず引き取る」という人に渡してしまうと、再び手放される可能性がある。 - 適切な飼育環境が整っているか質問する
→ 大きな水槽・フィルター・紫外線ライトなど、必要な設備を揃えられるか確認。 - 譲渡時には誓約書を作成するのもアリ
→ しっかり責任を持って飼育してもらうために、簡単な誓約書を用意しても良い。
ミシシッピアカミミガメの適切な引き取り手を見つける方法
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は特定外来生物のため、飼育を引き継いでくれる人を探すのが難しくなっています。そのため、以下の方法を試してみましょう。
✅ 爬虫類愛好家のコミュニティを活用する
- 「爬虫類カフェ」や「爬虫類イベント」では、カメに興味のある人と直接話せる機会がある。
- 爬虫類専門の掲示板やフォーラムで引き取り先を探す。
✅ 学校や教育機関に相談する
- 一部の学校では、生物学習の教材として亀を受け入れている場合がある。
- 環境学習センターなど、外来種について学ぶ機関でも引き取りの可能性あり。
✅ 寺社仏閣の池に相談する(要注意)
- 亀を飼育しているお寺や神社もあるが、最近は受け入れを制限していることが多い。
- 無許可で放すのは絶対NG。必ず事前に問い合わせること。
✅ 動物病院や爬虫類専門店に相談する
- ミドリガメの扱いに慣れている病院やショップでは、引き取り先の情報を持っていることがある。
里親探しは根気が必要ですが、適切な引き取り手を見つけることで、亀の命を守ることができます。
野外でミドリガメを見つけたらどうする?
野生のミドリガメ?それとも捨てられた個体?
近年、日本各地の川や池、公園の水辺でミドリガメを見かけることが増えています。しかし、これらのカメは本来日本の自然にはいない外来種(ミシシッピアカミミガメ)であり、多くは飼い主によって捨てられた個体です。
見つけたミドリガメが「野生化した個体」なのか「誰かが最近捨てた個体」なのかを見分けるポイントは以下の通りです。
✅ 最近捨てられた可能性が高いカメの特徴
- 甲羅や体が比較的キレイ(苔や傷が少ない)
- 人に慣れていて近づいても逃げない
- 近くに餌をあげている人がいる(飼育放棄された可能性)
✅ すでに野生化しているカメの特徴
- 甲羅に苔が生えている、汚れが目立つ
- 人の気配を感じるとすぐに逃げる
- 池や川に複数のミドリガメがいる
もし最近捨てられたと思われるカメを見つけた場合は、適切な対処を考えましょう。
見つけたミドリガメを保護する場合の対応方法
「捨てられたカメを放っておけない」と感じた場合は、次のような手順で対応するのが理想的です。
✅ 1. まずはその場の状況を確認
- 近くに同じ種類のカメが多くいる場合は、すでに野生化している可能性が高い。
- 1匹だけでいて、甲羅がキレイなら最近捨てられた可能性がある。
✅ 2. 保護するかどうかを慎重に判断
- 勝手に持ち帰るのはNG(法律的には問題ないが、飼育放棄されたカメを迎え入れる覚悟が必要)。
- 持ち帰る場合は、終生飼育する決意が必要(ミドリガメは長生きするため)。
✅ 3. 自治体や保護団体に相談する
- 近くの環境センターや外来種対策を行っている団体に相談する。
- 自治体によっては、外来種対策としてカメの引き取りを行っていることもある。
✅ 4. もし飼う場合は正しい飼育環境を整える
- 甲羅のサイズに合った広い水槽を用意する。
- 紫外線ライトやフィルターを設置し、適切な環境を整える。
- 餌や温度管理など、長期的に世話ができるか考える。
無責任な放流を防ぐために、私たち一人ひとりが正しい知識を持つことが大切です。
ミドリガメを飼えなくなる前にできること
ミドリガメを迎える前に考えるべきこと
ミドリガメは手軽に飼い始められるペットですが、成長すると予想以上に大きくなり、飼育環境を整えるのが難しくなることがあります。
✅ 飼う前に確認すべきポイント
- どのくらい大きくなるのか?
→ 幼体は5cmほどですが、成長すると30cm近くになることも。 - 寿命はどのくらい?
→ ミドリガメは20~30年生きるため、長期間の世話が必要。 - 飼育に必要な設備は?
→ 適切な水槽、フィルター、紫外線ライト、陸場などが必要。 - 引っ越しやライフスタイルの変化に対応できるか?
→ 飼育環境を維持できるか長期的に考える。
事前にこれらのポイントをしっかり検討することで、途中で「飼えない」とならないように準備できます。
ミドリガメの適正飼育と環境の工夫
「もう水槽が狭くて飼えない…」と感じた場合でも、適切な環境を整えることで、無理なく飼育を続けられる場合もあります。
✅ 広いスペースを確保する工夫
- ベランダや庭に大きな飼育スペースを設ける(屋外飼育の検討)。
- 90cm以上の水槽を用意し、カメの負担を軽減する。
✅ 世話の負担を減らす方法
- 水質管理を自動化する(強力な外部フィルターを導入)。
- 餌の管理を見直す(食べ残しが少ないペレットを選ぶ)。
✅ ミドリガメの繁殖を防ぐ
- オスとメスを分けて飼育することで、不必要な繁殖を防ぐ。
- メスだけの場合でも、産卵対策として産卵場所を確保する。
飼育環境を見直すことで、「やっぱり手放さなくてもいいかもしれない」と思うかもしれません。
飼育を継続するためのサポートを活用する
「どうしても世話が大変」と感じた場合でも、すぐに手放すのではなく、サポートを活用して飼育を続ける方法を探しましょう。
✅ 飼育相談ができる施設や団体
- 動物病院 → 亀の飼育に関するアドバイスをもらえる。
- 爬虫類専門ショップ → 飼育器具の選び方や飼い方を相談可能。
- SNSやフォーラム → 他の飼育者と情報交換し、世話の負担を軽減するアイデアを得る。
✅ 一時的な預かりサービスの活用
- 旅行や一時的な事情で世話が難しい場合、ペットホテルや爬虫類専門の預かりサービスを利用できることも。
✅ ペットと共生できるライフスタイルを考える
- 引っ越しや生活環境の変化を見越して、飼育を続けられる方法を模索する。
ミドリガメは長寿な生き物だからこそ、**「最後まで責任を持てるか」**を考えることが重要です。
まとめ:ミドリガメを飼えなくなったらどうすればいい?
ミドリガメを飼えなくなったとき、無責任に捨てるのは絶対NGです。違法行為にあたるだけでなく、生態系にも深刻な影響を与えます。適切な対処法を知り、責任ある対応をしましょう。
✅ 引き取り先を探す方法
- 動物園・水族館:一部で引き取りを実施(事前確認が必要)。
- 保護団体・NPO法人:外来種対策として受け入れている場合あり。
- 自治体の外来種窓口:引き取り支援を行っている地域も。
- 里親募集サイト・SNS:爬虫類愛好家の間で引き取り希望者が見つかることも。
✅ 手放す前にできること
- 飼育環境を見直す(広い水槽や設備を整え、飼い続ける工夫をする)。
- ペットホテルや預かりサービスを活用(一時的に世話が難しい場合)。
- 長期飼育の覚悟を持つ(ミドリガメは30年生きることも)。
✅ 野外でミドリガメを見つけたら?
- 最近捨てられた可能性が高い場合は、保護団体や自治体に相談。
- すでに野生化している場合、勝手に捕獲せず適切な機関と相談。
ミドリガメを飼うことは長期的な責任が伴います。途中で手放すことのないように、最初からしっかり準備し、最後まで面倒を見られるか慎重に考えましょう!