ギリシャリクガメは温厚で可愛らしい性格から、ペットとして人気の高いリクガメです。飼育を始める際、「水槽で飼えるのか?」「ケージとどちらが良いのか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。実際に水槽を使った飼育は可能ですが、温度や湿度の管理方法、成長に合わせたスペースの確保など、いくつかの注意点があります。
本記事では「ギリシャ リクガメ 水槽」をテーマに、最適な飼育セットの準備方法、温度・湿度の調整、餌の与え方や水飲み場の設置方法までを詳しく解説します。さらに「なつくの?」「大きくならないのはなぜ?」といった飼育者が抱きやすい疑問にも触れ、快適で健康的に育てるためのポイントをまとめました。これからギリシャリクガメを水槽で飼いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ギリシャリクガメと水槽飼育の基本
ギリシャリクガメの特徴と性格(なつくの?)
ギリシャリクガメは、地中海沿岸に生息する小型のリクガメで、最大でも20cm前後と比較的コンパクトなサイズに成長します。性格は温厚で、人に慣れやすい個体も多く、飼い主の姿を見て寄ってくるようになることもあります。いわゆる「犬や猫のようになつく」とは違いますが、毎日の世話や餌やりを通じて、人に安心感を覚えるリクガメに育てることは十分可能です。
「なつくリクガメ」にするためには、無理に触ったり持ち上げたりせず、落ち着いた環境で世話を続けることが大切です。信頼関係を築くことで、食事の時間に近寄ってくるなど可愛らしい仕草を見せてくれるでしょう。
水槽での飼育は可能?ケージとの違い
ギリシャリクガメの飼育には、水槽と爬虫類用ケージ(木製・アクリル製など)のどちらも使用可能です。ただし、それぞれにメリット・デメリットがあります。
- 水槽のメリット
- 入手しやすく、初期費用が安い
- 中がよく見えるため観察しやすい
- 保湿性が高く湿度を維持しやすい
- 水槽のデメリット
- 通気性が悪く、換気を工夫しないとカビや細菌が繁殖しやすい
- 成長すると狭くなりやすい
- ガラス越しの反射でリクガメがストレスを感じる場合がある
- ケージのメリット
- 通気性が良く、温度・湿度調整がしやすい
- 成長に合わせてサイズを選びやすい
- 爬虫類飼育に特化した構造で管理がしやすい
- ケージのデメリット
- 水槽に比べると価格が高い
- 中が少し見えにくい場合がある
結論としては、幼体(ベビー〜若い個体)であれば水槽飼育も十分可能ですが、成長に伴い広いスペースや通気性が必要になるため、将来的にはケージへ切り替えるのがおすすめです。
水槽レイアウトと飼育セットの準備
初心者に必要なギリシャリクガメ飼育セット
ギリシャリクガメを水槽で飼う場合、まず揃えておきたい基本アイテムがあります。特に初心者の方は「飼育セット」として販売されているものを参考にすると安心です。
必要な飼育アイテム一覧
- 水槽(60cm以上推奨):幼体なら45cm水槽でも可。ただし成長を考えると広めが安心
- 床材:ヤシガラ土や爬虫類用マット、または砂土系を混合して使用
- バスキングライト:日光浴代わりに必要。紫外線ライトとセットで設置する
- UVBライト:カルシウム代謝に必須
- 温度計・湿度計:常に環境をモニタリング
- 水入れ(浅め):飲み水用+体が入れるサイズが理想
- シェルター(隠れ家):落ち着ける空間を確保するために必須
特に紫外線ライト(UVB)とバスキングライトは健康維持に欠かせません。カルシウム不足による甲羅の変形や成長不良を防ぐためにも必ず設置しましょう。
床材・隠れ家・シェルターの選び方
水槽内をレイアウトする際には、リクガメが自然に近い環境で生活できるように工夫することが大切です。
- 床材の選び方
- 幼体には保湿性のある「ヤシガラ土」や「爬虫類用土壌マット」がおすすめ
- 成体には通気性が良い「砂+土系」も併用すると◎
- 新聞紙やペットシーツは掃除しやすいが、自然な掘る行動ができないため長期的には不向き
- 隠れ家(シェルター)の設置
- リクガメはストレスを感じやすいので、隠れられるシェルターを必ず用意
- 半円型の流木や、陶器製のシェルターがおすすめ
- シェルター内の湿度を高めると「保湿シェルター」としても活用できる
- レイアウトのポイント
- 水槽内に「バスキングエリア」「隠れ家エリア」「水飲み場」をバランス良く配置
- 温度勾配をつけ、リクガメが自分で過ごしやすい場所を選べるようにする
特にギリシャリクガメは乾燥気味の環境を好みますが、完全に乾燥させてしまうと甲羅の成長不良につながるため、部分的に湿度を高める工夫が大切です。
水槽内の温度・湿度管理
日中の温度管理とバスキングライトの使い方
ギリシャリクガメを健康に育てるには、温度管理が最重要ポイントです。野生下では地中海沿岸の乾燥した気候に生息しているため、日中の温度は 25〜30℃、バスキングスポット(甲羅干しエリア)は 32〜35℃ を目安にしましょう。
- バスキングライトの設置方法
- 水槽の片側に設置して、温度勾配(暖かい場所と涼しい場所の差)をつくる
- 高さは水槽内の温度計を確認しながら調整
- 1日10〜12時間を目安に点灯し、昼夜のリズムを再現
この温度勾配があることで、リクガメ自身が快適な位置を選び、体温調節を行えます。
夜間の温度調整と冬場の注意点
夜間は日中より温度を下げても問題ありませんが、18〜22℃程度を下回らないように注意が必要です。特に冬場は室温が大きく下がるため、パネルヒーターや暖突(遠赤外線ヒーター)を活用すると安心です。
- 冬場の対策
- 室温が15℃以下になる場合は、夜間も保温器具を使用
- ヒーター類を使う際は「水槽全体が高温にならないよう部分的に」設置する
- 温度が安定しないと、食欲不振や冬眠のリスクにつながる
ギリシャリクガメは冬眠する種類ではありますが、飼育下では健康リスクが大きいため、基本的に冬眠はさせずに加温飼育が推奨されます。
湿度の最適値と加湿・乾燥対策
ギリシャリクガメは乾燥地帯に生息していますが、完全に乾燥させてしまうのはNGです。湿度は40〜60%前後を目安に保つと良いでしょう。
- 湿度が低すぎると
- 甲羅の成長不良(ピラミッディング)
- 脱水症状
- 湿度が高すぎると
- カビやダニの発生
- 呼吸器疾患
- 湿度管理の工夫
- 水入れを設置して自然蒸発を利用
- 床材を軽く霧吹きして加湿
- シェルター内をやや湿度高めにすると安心
「乾燥しすぎず、ジメジメさせすぎない」バランスが、ギリシャリクガメにとって最適な環境です。
ギリシャリクガメの成長と飼育の悩み
「大きくならない」と感じる理由と成長の目安
ギリシャリクガメは最大で オス15cm前後、メス20cm前後 まで成長します。成長スピードは個体差がありますが、幼体の頃は1年で数センチずつ大きくなるのが一般的です。
「大きくならない」と感じる場合、以下の要因が考えられます。
- 栄養不足
→ 野菜や葉物だけでなく、カルシウム・ビタミンD3を意識した食事管理が必要。紫外線不足も成長不良につながる。 - 温度不足
→ 飼育環境の温度が低いと代謝が落ち、餌を食べる量が減る。 - 飼育スペースが狭い
→ 狭すぎる水槽は運動不足やストレスの原因となり、成長を妨げる。 - 個体差
→ そもそも体格の小さい血統も存在し、すべてが20cm近くまで育つわけではない。
まずは温度・餌・紫外線の条件を見直すことが大切です。
健康チェックと水槽サイズの見直し
成長に伴い、水槽のサイズも定期的に見直す必要があります。幼体の頃は45〜60cm水槽でも問題ありませんが、10cmを超えたあたりからは 90cm以上のケージ を検討するのが理想です。
健康チェックの際には、以下のポイントを確認しましょう。
- 甲羅:柔らかすぎないか、デコボコがないか
- 目・鼻:涙や鼻水が出ていないか(呼吸器疾患の兆候)
- 口:口内炎や異常な色がないか
- 体重:急激な減少がないか
体重は月に1回程度測定すると、成長の目安や健康状態を把握しやすくなります。もし「大きくならない」「体重が減る」など異変がある場合は、飼育環境を見直すか、爬虫類に詳しい動物病院で診てもらうのが安心です。
食事管理と生活習慣
ギリシャリクガメの餌の種類と頻度
ギリシャリクガメは完全な草食性で、野生下では草や野草を中心に食べています。飼育下でも繊維質が豊富でカルシウムを多く含む食事を与えることが大切です。
主な餌の例
- 小松菜、チンゲン菜、青梗菜
- サニーレタス、リーフレタス(※結球レタスは栄養が乏しいため控えめに)
- タンポポの葉、オオバコ、クローバーなどの野草
- 乾燥牧草(チモシー)を補助的に与えるのも◎
与え方の目安
- 幼体:毎日1〜2回、食べきれる量を少し多めに
- 成体:1日1回、甲羅の大きさと同じくらいの量
また、カルシウム不足を防ぐために週2〜3回はカルシウムパウダーをふりかけることが推奨されます。紫外線ライトと組み合わせることで、丈夫な甲羅や骨の成長をサポートできます。
水飲み場の設置と入浴の必要性
ギリシャリクガメは乾燥地帯の生き物ですが、水分補給はとても重要です。水槽内には必ず浅めの水入れを設置しましょう。
- 水飲み場の条件
- 甲羅ごと入れるくらいの浅さ
- 転倒防止のため、縁が低く安定感のある容器を選ぶ
- 水は毎日交換して清潔に保つ
さらに、健康維持のためにぬるま湯での入浴(ソーキング)も有効です。週に1〜2回、30℃前後の浅いお湯に10分ほど入れてあげると、体内の水分補給や排泄の促進につながります。
特に幼体は脱水になりやすいため、ソーキングを習慣化することで成長をサポートできます。
快適な飼育のための工夫
水槽飼育で起こりやすいトラブルと対策
ギリシャリクガメを水槽で飼育する場合、初心者が特につまずきやすいのが通気性の悪さとスペース不足です。
- 結露やカビの発生
→ 換気を確保し、湿度が上がりすぎないようにする。水槽のフタを完全に閉めず、通気口を確保すると効果的。 - ガラスに頭をぶつける行動
→ 水槽の壁が透明なため、リクガメが「向こうに行ける」と思いこんでしまうことがあります。対策として、壁の一部に目隠しシートを貼るとストレス軽減につながります。 - 狭さによる運動不足
→ 成長に伴い、水槽が手狭になりがち。定期的にケージや屋外飼育に切り替える必要があります。
水槽飼育は幼体には適していますが、成体になると管理の難しさが増すため、「一時的な飼育環境」として割り切るのが賢い選択です。
なつくリクガメに育てるための接し方
ギリシャリクガメは犬や猫のようにベタベタ懐く動物ではありませんが、安心感を与える接し方を続けることで、人に慣れてくれます。
- 毎日同じ時間に餌やりをする
→ 「この人が来るとご飯がもらえる」と学習し、近寄ってくるようになる - 無理に抱き上げない
→ 甲羅を持ち上げられると天敵に捕まった感覚になり、強いストレスに - 目線を合わせて静かに世話をする
→ 落ち着いた動きで接することで安心感を与える
こうした日々の積み重ねによって、飼い主を見ると近づいてきたり、手から餌を食べたりと、可愛らしい姿を見せてくれるようになります。
まとめ
ギリシャリクガメは温厚で飼いやすいリクガメですが、水槽での飼育にはいくつかの工夫が必要です。特に 温度・湿度管理、十分なスペースの確保、栄養バランスの取れた食事 は健康維持の基本となります。
- 水槽での飼育は幼体向け。成長に合わせてケージや屋外飼育への移行を検討する
- 日中は25〜30℃、バスキングスポットは32〜35℃を目安に温度を管理
- 湿度は40〜60%を維持し、乾燥と過湿のどちらにも注意
- 野菜や野草を中心とした食事にカルシウムを補い、紫外線ライトで代謝をサポート
- 水入れの設置や定期的なソーキングで脱水を防ぐ
- 飼い主が丁寧に接することで、人に慣れて可愛い仕草を見せてくれる
ギリシャリクガメは丈夫で長寿な生き物です。正しい知識と工夫をもって飼育すれば、10年以上、時には20年以上の長い付き合いができます。水槽から始める場合も、成長や習性に合わせた環境作りを心がけ、快適で安心できる暮らしを提供してあげましょう。


