ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、昔からペットとして親しまれてきたカメですが、どれくらい生きるかご存じでしょうか? 一般的には平均20〜30年ほど生きると言われていますが、「寿命50年」「ギネス記録はもっと長い?」といった噂もあります。
また、ミドリガメは外来種問題の影響で飼育禁止が検討されていることも話題です。今後の規制や、すでに飼っているカメをどうすべきかも気になるところでしょう。
この記事では、ミドリガメの平均寿命や長生きさせる方法、さらには飼育禁止の最新情報について詳しく解説します。他のカメとの寿命比較や年齢の調べ方についても触れているので、ぜひ最後までチェックしてください!
ミドリガメの平均寿命とは?
ミドリガメの平均寿命は何年?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の平均寿命は、飼育環境によって異なります。
- 野生のミドリガメ:10〜20年
- 飼育下のミドリガメ:20〜30年(適切な管理をすれば40年以上生きることも)
野生では天敵に狙われたり、食料不足や病気などの影響で寿命が短くなりがちです。一方、飼育下では水質管理・適切な餌・紫外線照射などのケアをしっかり行うことで長生きする傾向にあります。
「ミドリガメの寿命は50年」は本当?
「ミドリガメは50年生きることもある」という話を聞いたことがあるかもしれません。実際に、適切な環境で飼育されれば50年以上生きる個体も存在します。
しかし、これはあくまで例外的に長生きしたケースであり、すべてのミドリガメが50年生きるわけではありません。長寿の個体は、
- 遺伝的に丈夫である
- ストレスの少ない環境で育った
- 高品質な餌を与えられていた
といった好条件が揃っていた可能性が高いです。
ミドリガメの寿命に関するギネス記録
ミドリガメの寿命に関するギネス記録について、明確な公式データはありませんが、50年以上生きた個体が報告されているのは事実です。
実際に海外では、60年以上生きたミドリガメの事例もあります。これは、
- 飼い主が長期間、適切なケアを続けた
- 健康管理が徹底されていた
といった要因が関係していると考えられます。
また、ミドリガメとよく比較される「ミシシッピアカミミガメ(同種)」の長寿記録も注目されています。今後、新たなギネス記録が発表される可能性もあるため、最新情報をチェックしていきましょう。
ミドリガメの寿命を左右する要因
野生と飼育下での寿命の違い
ミドリガメは、野生と飼育下では寿命が大きく異なります。
- 野生のミドリガメ:寿命は10〜20年程度
- 天敵(鳥類・大型魚・哺乳類)に襲われるリスクが高い
- 冬眠中の死亡リスクがある
- 食料の確保が難しい場合がある
- 水質汚染や環境変化の影響を受けやすい
- 飼育下のミドリガメ:寿命は20〜30年(適切な環境なら40年以上)
- 天敵がいないため、生存率が高い
- 栄養バランスのとれた食事を与えられる
- 水質管理や紫外線照射による健康維持が可能
- 定期的な健康チェックができる
適切な環境で育てれば、飼育下のミドリガメは野生の個体よりも長生きする傾向にあります。
食事や飼育環境が寿命に与える影響
ミドリガメの寿命を伸ばすためには、食事と飼育環境の管理が重要です。
食事のポイント
- バランスの良い餌を与える
- 主食:人工飼料(カメ用のペレット)
- 副食:小魚、エビ、野菜(小松菜・チンゲンサイ)
- カルシウム補給:カメ用のカルシウム剤やカトルボーン
- 与えすぎに注意
- 肥満は寿命を縮める原因に
- 1日に1〜2回、成長に応じた適量を与える
飼育環境のポイント
- 水質管理
- 水をこまめに交換し、フィルターを使用して清潔に保つ
- 水温は**25〜28℃**を維持(冬場はヒーターを使用)
- 紫外線ライトの設置
- ビタミンD3の生成を促し、甲羅や骨の健康を維持
- 1日8〜12時間程度照射する
- 日光浴や陸場の確保
- 甲羅干しができるスペースを作り、ストレスを軽減
病気と寿命の関係
ミドリガメの寿命を縮める原因のひとつに病気があります。特に以下の病気には注意が必要です。
よくある病気と対策
- 甲羅の腐敗症(シェルロット)
- 原因:水質の悪化や怪我
- 予防:水を清潔に保ち、陸場を確保
- くる病(ビタミンD不足)
- 原因:紫外線不足やカルシウム不足
- 予防:紫外線ライトの設置とバランスの良い食事
- 肺炎
- 原因:水温の低下や過度のストレス
- 予防:適切な水温管理と、冬場の保温対策
ミドリガメが健康に長生きするためには、病気の予防が不可欠です。日々の観察を怠らず、異変があれば早めに対処しましょう。
ミドリガメの年齢の調べ方
甲羅の成長環で年齢を推測する方法
ミドリガメの正確な年齢を知るのは難しいですが、**甲羅の成長環(成長リング)**を観察することで、ある程度の推測が可能です。
成長環とは?
- 甲羅(背甲)の**各甲板(こうばん)**には年輪のような「成長環」があります。
- 1年に1〜2本の成長環ができることが多い。
- 成長が早い幼体ほど成長環がはっきりしているが、老齢になるとわかりにくくなる。
成長環を使った年齢の推測方法
- 甲羅の各甲板を観察し、成長環の数を数える
- 数に応じて推定年齢を計算する(1年=約1〜2本の目安)
- 幼体ほど正確に推測できるが、成長が遅くなる成体以降は誤差が大きくなる
例:
- 成長環が6本 → 推定3〜6歳
- 成長環が15本 → 推定10〜15歳
ただし、餌の量や生活環境によって成長速度が変わるため、あくまで目安と考えましょう。
専門家による年齢診断とは?
成長環以外にも、以下の方法でより正確な年齢を判断できる場合があります。
体長(甲長)の測定
- 幼体(1〜3歳):5〜10cm
- 若齢(4〜10歳):10〜20cm
- 成体(10歳以上):20〜30cm(オスはやや小さめ)
- ただし、餌の量や個体差によって成長速度が異なるため、目安程度に考える。
獣医師による診断
- 骨の成長状態をX線撮影で確認できる。
- 甲羅の硬さや摩耗状態も参考になる。
- ただし、一般的なペットの健康診断では年齢を正確に特定するのは難しい。
ミドリガメの年齢を知ることのメリット
- 適切な餌の量や栄養バランスを調整できる。
- 成長に合わせた水槽サイズや日光浴の頻度を考慮できる。
- 老齢期のケア(病気予防や環境管理)を早めに始められる。
ミドリガメの年齢は完全には特定できないものの、成長環や体長を目安にすることでおおよその推測は可能です。飼育の参考にしながら、長生きできる環境を整えてあげましょう。
ミドリガメの飼育禁止問題
ミドリガメはいつから飼育禁止になるのか?
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、2023年6月1日から「条件付き特定外来生物」に指定されました。
しかし、すでに飼育しているミドリガメについては引き続き飼うことが可能です。ただし、新たに販売・譲渡・放流することは禁止されています。
具体的な規制内容
- 2023年6月1日以降、新規の販売・譲渡は禁止
- すでに飼っている個体は届け出不要で飼育可能
- 野外への放流は禁止(違反すると罰則あり)
つまり、これから新しくミドリガメを飼うことはできませんが、すでに飼っている人は問題なく飼い続けることができます。
なぜミドリガメの飼育が禁止されるのか?
ミドリガメの飼育が禁止された背景には、外来種問題と生態系への影響があります。
1. 野生化による生態系への悪影響
- 繁殖力が高く、日本各地の川や池で急増
- 在来のカメ(クサガメ・ニホンイシガメ)との競争で生存を脅かす
- 水草や小魚を大量に食べ、生態系バランスを崩す
2. 飼育放棄が多い
- 小さい時はペットとして人気だが、成長すると30cm近くになり、飼育が大変になる
- 「飼えなくなったから」と川や池に捨てられるケースが後を絶たない
3. 環境省の対策強化
- 環境省は外来種対策の一環として、ミドリガメを特定外来生物に指定
- 販売・譲渡を禁止することで、新たな野生個体の増加を抑制
「ミシシッピアカミミガメ」の規制との関係
ミドリガメは正式名称「ミシシッピアカミミガメ」であり、今回の規制はこのカメ全体を対象にしています。
- つまり、ミシシッピアカミミガメはすべて飼育規制の対象。
- これまでは「ミドリガメ(幼体)」と「アカミミガメ(成体)」と呼び分けられることがあったが、どちらも同じカメなので規制内容は共通。
規制後のミドリガメの適切な扱い方
- すでに飼っているミドリガメは一生大切に飼育する
- 飼えなくなった場合は勝手に放さず、自治体や専門機関に相談する
今後もミドリガメを飼うためには、責任を持って終生飼育することが求められます。
他のカメとの寿命比較
クサガメの平均寿命はどれくらい?
ミドリガメとよく比較されるカメに**クサガメ(日本固有種)**がいます。クサガメの寿命は以下の通りです。
カメの種類 | 野生の寿命 | 飼育下の寿命 |
---|---|---|
クサガメ | 約20〜25年 | 約30〜40年 |
ミドリガメ | 約10〜20年 | 約20〜30年(長寿例で50年) |
クサガメが長生きしやすい理由
- 日本の気候に適応しているため、冬眠をしやすく健康を維持しやすい
- 飼育下では環境さえ整えれば、ミドリガメより長生きするケースも多い
- ミドリガメほどの繁殖力がなく、過密になりにくい
クサガメは日本の在来種であり、ミドリガメよりも日本の環境に適応しやすいため、しっかり飼えば長生きしやすいカメといえます。
ミシシッピアカミミガメの寿命とギネス記録
ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の長寿記録は、50年以上の報告があります。
ギネス記録級の長寿例
- アメリカのペット個体で60年以上生存した例がある
- 日本国内でも40年以上生きた個体の報告が複数
ミドリガメが長寿になるための条件は、適切な食事・水質管理・紫外線照射・ストレス管理です。
ただし、野生では天敵や環境変化の影響を受けやすく、平均寿命は20年未満になることがほとんどです。
クサガメ vs. ミドリガメの飼育のしやすさ
比較項目 | クサガメ | ミドリガメ |
---|---|---|
平均寿命 | 30〜40年 | 20〜30年(長寿例50年以上) |
日本の環境適応 | ◎(在来種) | △(外来種) |
冬眠の可否 | 可能(自然に冬眠しやすい) | 可能だが管理が必要 |
繁殖力 | 低め | 高く増えやすい |
飼育禁止 | なし | あり(新規飼育不可) |
クサガメは日本の気候に合っていて飼育しやすいのに対し、ミドリガメは飼育禁止の影響で今後入手が困難になります。
すでに飼っているミドリガメは、長生きできるようにしっかりお世話することが重要です。
まとめ:ミドリガメを長生きさせるために
ミドリガメの寿命と長生きのポイント
ミドリガメの平均寿命は20〜30年ですが、適切な飼育環境を整えれば40年以上、場合によっては50年以上生きることもあります。
長生きさせるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
✅ 水質管理を徹底する(こまめな水換え・フィルター使用)
✅ バランスの取れた食事を与える(人工飼料+カルシウム補給)
✅ 紫外線ライトや日光浴をしっかりさせる
✅ 適切な温度管理を行う(水温25〜28℃を維持)
✅ ストレスの少ない環境を作る(広い水槽・陸場の確保)
✅ 病気の早期発見・予防をする(甲羅や目の状態をチェック)
これらを守れば、ミドリガメの寿命を最大限に伸ばすことができます。
飼育禁止後の対応と注意点
2023年6月からミドリガメの新規飼育・販売・譲渡は禁止されましたが、すでに飼っている個体はそのまま飼育可能です。
✅ 絶対に野外に放さない!(違法&生態系に悪影響)
✅ 飼えなくなった場合は自治体や専門機関に相談する
✅ 終生飼育の責任を持つことが大切!
ミドリガメは長生きするペット!責任を持って飼おう
ミドリガメは決して短命なペットではなく、適切な環境で飼えば数十年生きる可能性がある生き物です。
「小さいから」と安易に飼うのではなく、最後までしっかり世話ができるか考えることが重要です。
現在ミドリガメを飼っている人は、ぜひ愛情を持って大切に育ててあげてください!